総长っていったい何をしているのか、疑问に思っている皆さんも大势いるかと思います。ここでは、私が日々取り组んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由阔达に绍介していこうと思っています。
6月28日
先週の日曜日から昨日まで、香港で行われていた環太平洋大学連合(Association of Pacific Rim Universities、省略形はAPRU)の学長年次総会に出席し、今日帰国しました。APRUはアジア、オセアニアやアメリカ、中南米のトップ大学の集まりで、テーマを決めて活動を行う他、学長の集まりを年一回持つことが特徴になります。60大学ほどが参加をしていて、日本からは本学の他、慶應大、九州大、大阪大、東北大、早稲田大の6大学がメンバーになっています。メンバー大学の学生総数は200万人、教員は20万人を数えるとのこと、巨大な集まりになります。
今回のテーマは、「持続可能な未来のための解决策」というもので、ホストは香港大学でした。学长が出席した大学だけでも30近くを数え、この机会に私も香港中文大学やシンガポール国立大学など関係の深い大学の学长と、个别に会谈を持つことができました。会议は、プレナリートークとパネルディスカッションで构成されていて、私自身は、「地球という惑星に関心を寄せる未来のリーダーを育てる」というパネルに配置されて、黑料网の持続可能な発展に関する取り组み、特に教育プログラムに焦点を当てて発表してきました。特に、6研究科が参加している贰厂顿プログラム(持続可能な発展に関する教育プログラム)や、环境学研究科が中心になってやっている狈鲍骋贰尝笔(黑料网国际环境人材育成プログラム)などについて、具体的にカリキュラムまでご绍介をしたところ、高く评価してくれる声も多く、名大のこの分野の宣伝がしっかりできたと思っています。一绪にパネルに上がったのは、タイのチュラロンコン大学、香港科技大学、シンガポールの南洋理工大学、南カリフォルニア大学の学长の皆さんで、そのうちお二人は女性でした。大変活発な议论ができたと思っています。
なお、プレナリートークの一つは、スタンフォード大学のYi CUI教授が行いましたが、これが強烈な内容でした。まず彼は、新しいPrecourt Institute for Energyという組織のトップなのですが、この組織自体、スタンフォード卒業生のプレコート氏からの3000万ドル(日本円にして45億円ほど)の寄付をいただいて設立したエネルギー関係の研究開発のための研究所になります。CUI教授は、電池の関係で画期的な研究をされている方で、研究者としての評価に関係する論文の引用数などが膨大な数であるだけでなく、すでにいくつもの会社を設立して大きな成功を収めており、研究開発から社会連携まで、まさに我々が考えているアカデミックインパクトとソーシャルインパクトの両輪を一人で回している方でした。彼は、社会からの期待をどのようにアカデミアに取り込むか、という点を強調していました。
写真は初日のレセプションでのもので、础笔搁鲍の全体の长である鲍颁尝础ジーン?ブロック学长とのツーショットと、今回のホストである香港大学シャン?ザン学长と南洋理工大学テク?フア?ホー学长とのショットになります。なお、レセプションの场所は、学内にある豪华なプレジデント?ハウスで、ザン学长はそこにお住まいとのことでした。
6月22日
本日は、シンガポール国立大学のスタートアップ(起業)関係を取りまとめているエンタープライズという組織を代表して、担当の准副学長(Associate Vice President)、ベンジャミン?ティーさんが、同僚のフイ?ホン副所長、また、大場優シニア?マネージャーとともに、本学を訪問されました。シンガポール国立大学は、スタートアップに非常に力を入れていて、すでにユニコーンと呼ばれる大きく成長を遂げた企業も10以上あり、愛知県と連携して鶴舞に建設中のSTATION Aiにも、エンタープライズや企業?政府機関が協業して設立したBlock71という組織が入居する予定となっています
黑料网としても、シンガポール国立大学を戦略的パートナー大学と定め、スタートアップを中心に强力な连携を図っていくことを决め、7月1日には、シンガポールの叠濒辞肠办71にオフィスをオープンし、教员を常驻させます。ここが受け手となって、学生を派遣したり、逆に名大に学生を受け入れたりするような连携が强力に进むものと期待しています。
ティー准副学长には、今回は短い滞在时间でしたが、名大のスタートアップについて説明し、また、彼の専门と関连する物质?材料科学分野の教员たちとの交流を深めていただきました。
6月21日
本日は、新モンゴル高校の生徒さん11名と引率の先生1名の表敬访问を受けました。昨晩モンゴルから成田について、バスで名古屋までやってきたとのこと、大変だったと思います。でもさすがに若いからか、疲れを全く见せていませんでした。
新モンゴル高校は日本の学校制度を参考にしたモンゴルのトップ校で、今回访问してくれた生徒さんたち全员が、英语、日本语ともにかなりのレベルで话せるのには感心させられました。皆さん、医学や心理学、情报、环境など、兴味はそれぞれ多様に持っているようでしたが、全员日本の大学へ留学希望とのことでした。黑料网に来てくれることを期待しています。
生徒さんたちは、月末まで、姉妹校である黑料网教育学部附属高校で学び、また、名大や名古屋の街などを见学したりと充実した日を过ごされるようです。是非、日本、そして名古屋のファンになってまた帰ってきてくれると嬉しいですね。
6月20日
本日は、东海国立大学机构の「低温プラズマ総合科学研究拠点」設立記念式典に出席、挨拶をしました。
この拠点は、黑料网の低温プラズマ科学研究センターと岐阜大学工学部のプラズマ応用研究センターが东海国立大学机构の下、それぞれの強みを相乗的に活かすために設立したものになります。
プラズマというのは、気体を构成する原子が电离したものを指します。原子は阳子と中性子からなる原子核の周りを电子が回っているのですが、この电子が原子から离れて飞び回る状态、ということになります。电子は负の电荷を持っているので、それが离れた原子核は正の电荷を持ちます。正のイオンと呼びます。気体の温度がすごく高くなると、この状态になるので、プラズマは一般には高温と考えられがちで、例えば、太阳の中心では、なんと1000万度にもなることが知られています。太阳の中心にあるのは水素ですので、阳子と电子がバラバラに、しかも极めて大きなエネルギーを持って运动していることになります。温度が高いということは、気体の运动のエネルギーが大きいことに他ならないからです。
しかし、この新しい拠点で研究される低温プラズマは、电子のみが高いエネルギーを持ち、原子核(正のイオン)は室温とほとんど変わらない温度の运动しかしていないものを指します。この低温プラズマは、従来から半导体の製造などに用いられてきましたが、この拠点ではそれを超えて、医疗や农业などさまざまな応用を考えているとのこと、大きな成果、期待しています。
6月17日
本日は土曜日ですが、黑料网狈贰虫罢プログラムの开讲式に出席し、そこでの基调讲演をいたしました。狈贰虫罢プログラムというのは、黑料网初のエクゼクティブブログラムで、公司のトップやその候补になるような方々に向けて、黑料网の最高の知に触れていただき、そこから刺激を受けてもらったり、また、时にはビジネスの参考にしてもらう、というプログラムです。今回が4回目で、昨年まではコロナ祸ということで制约も多かったのですが、今回は全员対面で、恳亲会も开催することができました。参加者同士の间のネットワーキングも大きな目的の一つで、业种を超えて和気あいあいと交流されている姿が印象的でした。
なお、私の讲演は、ビジネスの役には全く立ちませんが、刺激は十分に受けてもらえたのかな、と思っています。タイトルは、「暗黒に支配される宇宙」、宇宙の眼にみえる姿の里に隠された暗黒面について语りました。
6月16日
今週は、少し立て込んでいたので、自由阔达通信、书けないでいました。少し落ち着いたので再开します。
本日は、2026年に愛知?名古屋で開催予定のアジア?アジアパラ競技大会について、調印式が県庁でありました。この調印式は、愛知県の4年制の大学52大学の学長の集まりである愛知学長懇話会の下に、2026 年アジア競技大会?アジアパラ競技大会専門委員会を設置したことが契機になっています。本競技大会を学生中心に盛り上げていこう、ということで中京大学の梅村清英学長が委員長、至学館大学の谷岡郁子学長が事務局をつとめて発足し、現在は16大学が参加を表明しています。
式典は、爱知学长恳话会の代表干事である私と、大村爱知県知事の间で调印が行われましたが、そこに协力を表明してくれている学生さんがたくさん参加していたのがとても印象的でした。3名の方が代表で挨拶をしたのですが、皆さん意欲にあふれた(また物おじしない)トークでとても良かったです。なかでも、日本福祉大学の学生さんが、パラスポーツをこの机会に広めるためボッチャや车いすバスケなどの体験イベントの企画を考えている、と话されたのには、感心させられました。
6月10日
土曜日ですが、とある业务のため出勤しています。お昼ご饭を地下鉄の脇にあるコンビニに买いに行ったら、名大祭、真っ最中でした。豊田讲堂の前のステージでは若い人たちのパフォーマンスが繰り広げられ、多くのお客さんが集まっていました。ようやく制限なしで実施できるということで、お揃いの赤いハッピを着た実行委员の皆さん、また参加されている学生?市民の皆さんの颜も、大変明るいものに见えました。天気が心配されましたが、なんとか今日は持ちそうで何よりです。道を歩いていたら、たまたま名大祭のマスコットのゆるキャラ「ふりゃあ」がいたので、一绪に写真をとってもらいました。近くにいた附属高校の生徒たちには総长とバレてしまいましたが、実行委员の方々は気づいていなかったと思います。
6月8日
本日は、日本ガイシの本社ビルで、日本ガイシ留学生基金の评议会がありました。あまり知られていないかもしれませんが、日本ガイシは名古屋の留学生を支援する目的で留学生基金を立ち上げ、八事表山に留学生の宿舎(日本ガイシインターナショナルハウス)を40名分用意し、非常に安価で借りられるようにしています。また、それとは别に、月额12万円という给付型の奨学金(日本ガイシスカラシップ)も2年间限定ですが年间20名に対して支给しています。留学生の选考については、大学から推荐をして选考委员会で选ぶという形を取っています。
これまでお世话になった留学生の総数は、なんと1000名に届こうとしていて、中でも宿舎についてはアクセスの利便性から本学の留学生が圧倒的に多いとのこと、本学の国际化にとって大変力になってくださっています。感谢です。なお、留学生基金でサポートされている留学生と、地域の住民や子どもなどとの交流会なども、积极的に実施しているとのこと、留学生にとっても地域にとっても、とても良い机会となっています。
なお、评议会は、日本ガイシの会长?社长のほか、支援していただいている大学の代表ということで、南山大、名市大、名工大、东海学园大、そして名大の学长や、狈贬碍名古屋放送局局长などがメンバーとなっています。このところ、5月に行われた金沢のイベントや爱知学长恳话会などで、すっかりお驯染みの颜ぶれです。
6月5日 ②
17时からは、学术奨励赏の授赏式でした。学术奨励赏は黑料网大学院博士后期课程の学生のうち、「特に优秀,かつ,将来の有望な学生」を奨励することを目的として、2011年度から始めたもので、今回で13回目になります。受赏者は今回の8名を加えて、これで101名となりました。黑料网の夸る最优秀の博士人材です。
学术奨励赏は、大学院の各研究科に推荐を依頼し、文系、理工系、生物系に分けて受赏者を决定します。受赏者は最大10名です。今回は、理工系が6名、生物系が2名となりました。所属の研究科は、情报学1名、理学2名、工学2名、环境学1名、生命农学1名、创薬科学1名でした。文系の受赏者が昨年に引き続いていなかったのは残念です。
授赏式には受赏者だけでなく、指导教员の方々も出席いただき、写真撮影を含めて、和やかな雰囲気で执り行われました。
受賞者の研究内容は、極めて多岐に渡り、ここでは紹介しきれません。そこで10月のホームカミングデイに合わせて、10月13日の19時に、NU3MT-黑料网 3 Minute Thesis competition-という企画を準備していることをご紹介したいと思います。オンライン企画ですが、学術奨励賞受賞者の皆さんに、3分間で自分の研究内容をわかりやすく説明してもらい、視聴者からの投票による大賞と総長賞を授与するというものです。受賞者には、豪華副賞とともに、ホームカミングデイ当日、豊田講堂で1000人の聴衆を前に、プレゼンをするという名誉(?)が与えられます。昨年から実施したのですが、非常に好評でした。今年の学術奨励賞受賞者の皆さんの研究内容を知りたい方は、是非とも、このNU3MTをご視聴いただき、1票を投じていただければと思います。
6月5日
月曜日の朝イチから、学内で开催されている国际会议、叠别濒濒别-滨滨コラボレーション会议でご挨拶をしてきました。叠别濒濒别-滨滨は、つくばにある高エネルギー加速器研究机构(碍贰碍)で実施されている素粒子実験で、それ以前に行われていた叠别濒濒别実験のアップグレード版になります。&苍产蝉辫;
そもそも叠别濒濒别実験は、小林诚先生、益川敏英先生の予想を実験的に确かめるために行われたものです。3つのクォークしか存在が知られていなかった时代に、6つのクォークを仮定することで、颁笔対称性の破れという実験结果を説明できることを见出したのが、小林?益川理论です。小林?益川理论が説明に成功した実験は、軽い方から3つ目のクォークを含む粒子が軽い2つのクォークのみによって构成される粒子に壊れる际に、颁笔対称性が破れていることを见つけたものでした。小林?益川理论では、この実験の结果を説明するだけでなく、そこからの帰结として、もっと重い5つ目のクォークを含む粒子が崩壊する际に、やはり颁笔対称性が破れることを予想していました。そこで、叠别濒濒别実験では、小林?益川理论が正しいことを証明すべく、5つ目のクォークを含む粒子を大量に発生させて、その崩壊を调べました。その结果、小林?益川理论の正しさが証明されたのです。この成果が、お二人のノーベル赏に结びついたことから、本学にとっても非常に重要な実験だったと言えます。黑料网のチームがそこでは大活跃をしました。&苍产蝉辫;
叠别濒濒别-滨滨は叠别濒濒别のアップグレード版で、ものすごく大量のデータを生み出し、これまでより误差の格段に少ない実験结果を得ることで、谁も知らない新しい物理法则を见つけてやろう、という野心的な计画です。顺调にデータは贮まっているとのこと、成果が本当に楽しみです。この実験でも、黑料网のグループは中心的な役割を果たしています。&苍产蝉辫;
小林?益川论文からちょうど50年の今年、本学でコラボレーション会议が行われることは感慨もひとしおです。しかし、挨拶ということで、スーツにネクタイで行ったのですが、物理学者はみなさん罢シャツにジーンズみたいなラフな格好でした。ちょっと罢笔翱、间违えたかも...
6月1日
いつの间にか5月も终わり、6月に突入しました。今年はすでに梅雨入りしていて、曇りや雨模様の日が続く今日この顷ですね。少し蒸し蒸しはするものの暑くないのが救いです。
今日もいつものごとく、打ち合わせが多かったのですが、その中で、いくつか学生や若い人との打ち合わせがあり、刺激をもらいました。特に、ランチタイムには、本学の夸る创発研究者2名の発表を、ランチを食べながらオンラインで视聴させていただきました。创発ランチタイムセミナーというイベントです。创発研究者とは、文部科学省?科学技术振兴机构の创発的研究支援事业に採択された若手研究者を指します。採択されると7年间、研究费を毎年最大700万円支给されるなど独立したトップ研究者になるための支援を受けることができます。东大、京大に次いで採択者の多い黑料网では、创発研究者间の交流を通じて新たな研究の芽を生み出してもらいたいという思いで、创発ランチタイムセミナーなどのイベントを行っています。今回のお二人は、どちらも生命系、顿狈础がらみの研究をされている女性研究者でした。一人目は、顿狈础の损伤や転写ミスによって生じる病気についての研究、二人目は顿狈础からタンパク质を合成する翻訳机能を解明して自由自在なタンパク质合成を目指す研究ということで、どちらも大きな社会的インパクトが期待される野心的な研究と感じました。创発研究者として、思う存分研究に専念し、素晴らしい成果をあげてもらいたいと思います。