国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院医学系研究科呼吸器外科学の芳川 豊史 教授、同大医学部附属病院呼吸器外科の尾関 直樹 病院講師(責任著者)、リハビリテーション科の西田 佳弘 病院教授、リハビリテーション部の田中 伸弥 療法士(筆頭著者)らの研究グループは、非小细胞肺癌※1患者における术前のサルコペニア※2および運動耐容能(持久力)と生命予後との関係を明らかにしました。肺癌は、日本における部位別癌死亡率の第 1 位であり、その罹患率は増加傾向にあるため、肺癌患者の生存率を上げるための方策が喫緊の課題です。また、サルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量が減少することで、全身の筋力低下または身体機能が低下する状態を指します。サルコペニアは高齢者によく認められますが若年者にも発症する可能性があり、フレイル※3転倒、日常生活动作の障害、生活の质の低下、死亡などと密接に関连するため、その早期発见と适切な治疗?介入が重要とされています。
本研究では、非小细胞肺癌患者において、術前のサルコペニア(脊柱起立筋※4の筋量が低値)と運動耐容能低下(6 分間歩行距離※5 が低値)はそれぞれが中長期的な死亡リスクを高め、その両方を有する患者は特に死亡率が高いことを明らかにしました。また、従来、非小细胞肺癌患者の術後経過を予測する因子(年齢、性別、喫煙歴、癌の進行度、呼吸機能など)に、骨格筋量や運動耐容能を加えることは、中長期的な経過の予測に有用であることを示しました。サルコペニアや運動耐容能低下は、運動療法や栄養療法などの介入により改善できます。
本研究結果は、非小细胞肺癌患者の術後経過を良好にするために必要なリスク層別化と介入方法の立案につながる可能性を示しています。
本研究成果は、国際科学誌「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」のオンライン版に 2021 年 3 月 4 日付で掲載されました。
本研究は、日本学术振兴会科学研究费助成事业若手研究の助成を受けて実施されました。
○ 非小细胞肺癌患者において、術前のサルコペニアと運動耐容能低下は,それぞれが死亡リスクを上昇する要因であった。
○ 術前にサルコペニアと運動耐容能低下の両方が存在すると中長期的な死亡リスクは 3.38 倍になる。
○ 術前の身体機能を包括的に評価することは、非小细胞肺癌患者の術後経過の予測に重要である。
◆详细(プレスリリース本文)は
※1 非小细胞肺癌 肺癌は組織型によって、非小细胞肺癌と小細胞肺癌の 2 つに大きく分けられ、非小细胞肺癌は原発性肺癌の約 80%を占める。
※2 サルコペニア 加齢や疾患により筋肉量が減少することで、全身の筋力低下または身体機能が低下する状態。
※3 フレイル 加齢とともに身体?認知機能が弱まり、社会活動が減り、不健康を起こしやすい状態。
※4 脊柱起立筋 脊柱(背骨)の背中側にあり、脊柱を立たせる筋肉。
※5 6 分間歩行距離 できるだけ速く 6 分間歩いた時の距離、運動耐容能(持久力)の指標。
掲雑誌名:Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle
論文タイトル:Preoperative paraspinous muscle sarcopenia and physical performance as prognostic indicators in non-small-cell lung cancer
著者:Shinya Tanaka,1 Naoki Ozeki,2, * Yota Mizuno,1 Hiroki Nakajima,1 Keiko Hattori,1Takayuki Inoue,1 Motoki Nagaya,1 Takayuki Fukui,2 Shota Nakamura,2 Masaki Goto,2 Tomoshi Sugiyama,2 Yoshihiro Nishida,1,3 Toyofumi Fengshi Chen-Yoshikawa2
所属:1 Department of Rehabilitation, 黑料网 Hospital, Nagoya, Japan
2 Department of Thoracic Surgery, 黑料网 Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
3 Department of Orthopaedic Surgery, 黑料网 Graduate School and School of Medicine, Nagoya, Japan
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