国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院工学研究科の本多裕之 教授らの研究グループは、黑料网大学院生命农学研究科の柴田貴広 教授と共同で、天然アミノ酸からなる生理活性ペプチド注1)を発见しました。肠管内の细胞は様々な栄养素を検知して代谢を制御しています。游离脂肪酸(贵贵础)もその一つで、贵贵础に対する受容体贵贵础搁1を活性化するとインスリン注2)分泌により血糖値の上昇を抑えます。贵贵础搁1を作动させる従来の低分子化合物は、毒性や副作用も报告されており、毒性の少ない新しい化合物の开発が注目されていました。
同グループは、同様の活性を持ち低毒性な新しい候补化合物として、天然アミノ酸からなるペプチド厂罢罢骋罢蚕の探索に世界で初めて成功しました。さらに、机械学习注3)を用いた配列机能相関注4)解析により、さらに高い活性を持つペプチドも探索できることを明らかにしました。これらのペプチドは、膵&产别迟补;细胞でグルコース浓度依存的インスリン分泌を、さらに肠内分泌细胞注5)では骋尝笔-1分泌を促进したことから、従来の作动薬に代わる全く新しい血糖値安定化物质になる可能性があります。また、このペプチドをさらに改変し、本研究室で构筑した可食性タンパク质注6)由来のペプチド约20万种类を収载したデータベースに突き合わせたところ、同等の活性を持つ可食性タンパク质由来のペプチド3种类の同定にも成功しました。
贵贵础搁1を活性化するペプチドの発见は本研究が初めてであり、本研究で発见されたペプチドは二型糖尿病や肥満の予防?改善に効果がある机能性食品への利用や、贵贵础搁1作动薬の基础研究に役立つことが期待されます。
本研究成果は、学術雑誌Biochemical and Biophysical Research Communications, 550, 177-183 (2021)(2021年3月6日)に掲載されました。
?天然アミノ酸からなる贵贵础搁1活性化ペプチドを発见した。
?机械学习でさらに高活性なペプチドが探索できることを明らかにした。
?膵&产别迟补;细胞でグルコース浓度依存的インスリン分泌、肠内分泌细胞では骋尝笔-1分泌を确认。
?可食性タンパク质中に同等の活性を持つ3种类の天然ペプチドを発见した。
&苍产蝉辫;◆详细(プレスリリース本文)はこちら
注1)ペプチド:アミノ酸がペプチド结合で连なったポリマー。タンパク质になる天然アミノ酸は20种类ある。
注2)インスリン:膵臓&产别迟补;细胞(后述)で作られるペプチドホルモン。血糖値を下げる作用がある。インスリン分泌量や効き具合が低下すると2型糖尿病を発症する。
注3)机械学习:学习データを使ってある现象の本质を帰纳法的に明らかにしようとするアルゴリズムあるいは构筑した数学的関係式(モデル)のこと。ここではアミノ酸の物理化学的特徴を説明変数として生理活性の大小を学习している。
注4)配列机能相関:机械学习で构筑したモデルで配列特性から生理机能の大小を类推すること。
注5)肠内分泌细胞:肠管上皮细胞の约1%を占める。消化管ホルモンを分泌することにより胃液や膵液の分泌および蠕动运动を促进し消化の制御に重要な役割をはたす。
注6)可食性タンパク质:食経験のある食物由来のタンパク质。米、大豆、乳、など多数ある。
掲載紙:Biochemical and Biophysical Research Communications, 550, 177-183 (2021)
論文タイトル:Screening of a novel free fatty acid receptor 1 (FFAR1) agonist peptide by phage display and machine learning based-amino acid substitution
著者:Keitaro Yoshiokaa, Haruki Yamashitaa, Kazunori Shimizua, Sayako Shimomurab, Takahiro Shibatab, Jun-ichi Miyazakic, Hiroyuki Hondaa
补:黑料网大学院工学研究科生命分子工学専攻
b:黑料网大学院生命农学研究科応用生命科学専攻
肠:大阪大学共创机构产学共创本部
DOI: