国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院医学系研究科循环器内科学の石濱 総太 客員研究者、竹藤 幹人 病院講師、室原 豊明 教授らの研究グループは、心筋の虚血状態においてグリセロール代謝が活性化されることを明らかにしました。
急性心筋梗塞を代表とする心血管疾患は、世界中で依然として主な死亡原因となっています。心臓は通常時には脂肪酸代謝を中心としたエネルギー産生を行っていますが、心不全や心筋梗塞などの病的な状態においては、糖代謝を中心としたエネルギー産生にシフトすることが知られていますが、そのメカニズムに関してはいまだ不明な点を多く認めます。グリセロールは脂肪酸を分解する際に生成される副産物であり、本研究グループは糖代謝へと流入するグリセロールの代謝に注目し、心筋のグリセロール代謝の関与するリポプロテインリパーゼ(LPL)?アクアポリン 7(AQP7)?グリセロール-3-リン酸 デハイドロゲナーゼ 2(GPD2)について検討を行いました。その結果、グリセロールが心筋細胞のエネルギー産生の基質であることが明らかになりました。また、心筋梗塞によってLPL 分泌が増加することが判明し、AQP7 は心筋梗塞時にグリセロールチャネルとして機能し、取り込まれたグリセロールは GPD2 により解糖系に流入しエネルギー産生に寄与することを明らかにしました。
この研究成果は、2021 年 11 月 22 日付けの「The FASEB Journal 」電子版に掲載されました。
○心筋梗塞などの心血管疾患は、未だに世界中で多くの死亡原因である。
○心筋梗塞になると、心筋のエネルギー代谢は脂质中心から糖代谢へと変化することが知られていたが、仕组みに関しては不明な点も多い。
○グリセロール代谢は、心筋梗塞时に糖代谢のエネルギー源として関与しエネルギー产生に寄与することが分かった。
○LPL/AQP7/GPD2 を介したグリセロール代謝が心筋梗塞に対する新たな治療法の標的分子となることが示唆された。
◆详细(プレスリリース本文)は
掲雑誌名:The FASEB Journal
論文タイトル:LPL/AQP7/GPD2 promotes glycerol met abolism under hypoxia and prevents cardiac dysfunction during ischemia
著者:Sohta Ishihama 1, Satoya Yoshida 1, Tatsuya Yoshida 1, Yu Mori 1, Noriyuki Ouchi 2, Shunsuke Eguchi 1, Teruhiro Sakaguchi 1, Takuma Tsuda 1, Katsuhiro Kato 1, Yuuki Shimizu 1, Koji Ohashi 2, Takahiro Okumura 1, YasukoK Bando 1, Hiroaki Yagyu 3, Nina Wettschureck 4, Naoto Kubota 5, Stefan Offermanns 4, Takashi Kadowaki 5, Toyoaki Murohara 1, Mikito Takefuji 1
所属:
1. Department of Cardiology, 黑料网 School of Medicine, Nagoya, Japan.
2. Department of Molecular Medicine and Cardiology, 黑料网 School of Medicine, Nagoya, Japan.
3. Division of Endocrinology and Metabolism, Department of Internal Medicine, Jichi Medical University, Shimotsuke, Japan.
4. Department of Pharmacology, Max Planck Inst itute for Heart and Lung Research, Bad Nauheim, Germany.
5. Department of Diabetes and Metabolic Dise ases Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo, Japan.
顿翱滨:
English ver.