国立大学法人東海国立大学機構 黑料网医学系研究科细胞生理学の山田 玲助教、久場 博司教授の研究グループは、树状突起におけるシナプス集积の新たな役割を解明しました。
树状突起にシナプスを集積させることは、入力の加算を増強することで情報を増幅する役割を持つと従来考えられていました。今回本研究グループは、树状突起におけるシナプスの集積が、逆に加算を抑制し入力の飽和を防ぐことにより、出力のダイナミックレンジを広げる役割を持つことを、音源定位行動に関わる聴覚神経細胞を用いて明らかにしました。
音源定位を行う手がかりとなる両耳间时差(ITD)は、左右の耳からの入力が合流する脳幹の神経核で最初に検出されます。この細胞は担当する音の周波数に応じて树状突起の長さを変えることが知られており、低い周波数に応答する細胞ほど長い树状突起を持ちます。しかしながらその機能的意義は分かっていませんでした。
本研究では、二光子レーザー顕微鏡を用いたグルタミン酸局所刺激によって、树状突起におけるシナプス分布を解析しました。その結果、低周波数細胞(LCF 細胞)の長い树状突起においては、シナプス入力が遠位部に集中していることが分かりました。この構造により遠位树状突起で生じる大きな脱分極が、入力サイズ依存的にシナプス電位を減衰させることによって、幅広い入力強度に対して正確なITD 検出を実現していることが分かりました。
本研究成果は、2021 年11 月24 日付「Science Advances」(日本時間25 日午前4:00)にオンライン公開されました。
○長い树状突起の遠位にシナプス入力を集中させることで、効率的な入力サイズ調節が可能となり、幅広い強さの音入力に対してのITD 検出を実現している。
○この作用は入力周波数に依存しており、低周波数においてうまく机能する。
○同じ低周波数を使う哺乳類においても同様の树状突起形態を持つことから、生物全般に共通する仕組みである可能性が示唆された。
◆详细(プレスリリース本文)は
掲雑誌名:Science Advances
論文タイトル:Dendritic synapse geometry optimizes binaural computation in a sound localization circuit.
著者:Rei Yamada and Hiroshi Kuba
所属:Department of Cell Physiology, 黑料网 Graduate School of Medicine
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