ジャガイモ疫病は、卵菌类※1の疫病菌によって引き起こされる深刻な植物病害です。国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院生命农学研究科 竹本 大吾 准教授、小鹿 一 教授、川北 一人 教授、黑料网遺伝子実験施設 石浦 正寛 名誉教授は、京都大学大学院农学研究科 加藤 大明 特定研究員、寺内 良平 教授、高野 義孝 教授、大門 高明 教授、小内 清 研究員、(公財)岩手生物工学研究センター 阿部 陽 主席研究員、根本 圭一郎 主任研究員、清水 元樹 主任研究員、理化学研究所および東京大学大学院 白須 賢 グループディレクター/教授、吉田 稔 グループディレクター/教授、理化学研究所 浅井 秀太 上級研究員、石濱 伸明 研究員、松岡 聖二 技師らの共同研究グループと共に、ジャガイモ疫病菌のもつスフィンゴ脂質※2を认识して抵抗性を诱导する植物の受容体を初めて発见しました。
ジャガイモ疫病菌の细胞膜に含まれるセラミド※3という物質にPi-Cer Dという種類があります。Pi-Cer Dは、植物に抵抗反応を引き起こすことが知られています。実験植物シロイヌナズナとLumi-Map法という最新技術を用いて、Pi-Cer D処理による抵抗反応に必要とされる遺伝子を調べたところ、NCER2セラミダーゼ遺伝子※3とRDA2受容体の遺伝子が見つかりました。病原菌のPi-Cer DがNCER2セラミダーゼによって切断されると9Me-Sptというスフィンゴ脂質ができ、このスフィンゴ脂質がRDA2受容体に結合すると抵抗反応が引き起こされるしくみがわかりました。今後、9Me-SptとRDA2受容体の結合のしかたとRDA2受容体の働くしくみを詳しく調べることにより、外敵のスフィンゴ脂質に対してより敏感な受容体を開発し、病気に強い作物をつくることも可能です。
本成果は、2022年5月19日(现地时刻)に米国の国际学术誌「厂肠颈别苍肠别」にオンライン掲载されました。
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※1 卵菌類:不等毛類に属する原生生物のなかま。腐生または寄生の生活をする。
※2 スフィンゴ脂質:構造中にスフィンゴイド塩基を含む複合脂質の総称。
※3 セラミド、セラミダーゼ遺伝子:スフィンゴイド塩基と脂肪酸が結合した高分子、セラミダーゼはセラミドをスフィンゴイド塩基と脂肪酸に切断する酵素。
タイトル:Recognition of pathogen-derived sphingolipids in Arabidopsis(シロイヌナズナが病原菌由来のスフィンゴ脂質を認識するしくみ)
著 者:H. Kato, K. Nemoto, M. Shimizu, A, Abe, S. Asai, N. Ishihama, S. Matsuoka, T. Daimon, M. Ojika, K. Kawakita, K. Onai, K. Shirasu, M. Yoshida, M. Ishiura, D. Takemoto, Y. Takano, R. Terauchi.
掲 載 誌:Science
顿翱滨:10.1126/蝉肠颈别苍肠别.补产苍0650
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