工学
2022.10.03
成形しやすく放熱や耐食性に優れた新しいマグネシウム合金を開発 - ごく微量の銅とカルシウムの添加でマグネシウム材料の特性を大きく改善 -
国立研究開発法人 産業技術総合研究所マルチマテリアル研究部門軽量金属設計グループ Bian Mingzhe 研究員、黄 新胜 主任研究員、中津川 勲 招聘研究員、千野 靖正 研究グループ長は、0.1wt%未満の微量の銅とカルシウムの添加により、室温成形性?放熱性?耐食性に優れた新しいマグネシウム合金の開発に成功しました。この技術で作製したマグネシウム材料は、汎用マグネシウム合金とは結晶の配向が大きく異なり、汎用マグネシウム合金よりも著しく優れた、アルミニウム合金に迫る室温成形性と熱伝導率を示しました。また、汎用マグネシウム合金よりも優れた耐食性を示しました。さらに、国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院工学研究科 材料デザイン工学専攻 小山 敏幸 教授、塚田 祐貴 准教授、松岡 佑亮 博士課程2年と共同で、ごく微量の添加で優れた室温成形性が発現するメカニズムを明らかにしました。開発したマグネシウム材料は、輸送機器や電子機器のケーシングなど、高い成形性、耐食性、放熱性のいずれもが必要な部材として有望です。なお、この技術の詳細は、2022年9月27日(現地時間)に国際学術誌「Acta Materialia」に掲載されました。
* ごく微量(0.1wt%未満)の銅とカルシウムを添加することでマグネシウム合金の結晶の配向を制御
* 汎用マグネシウム合金よりも優れた室温成形性と耐食性、アルミニウム合金に迫る放熱性を発現
* 開発したマグネシウム材料の適用先として輸送機器や電子機器のケーシングなどを想定
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汎用マグネシウム合金
マグネシウムにアルミニウムや亜铅やマンガンを添加した合金を指し、比较的な良好な强度と延性と耐食性を有する合金。
掲載誌:Acta Materialia
論文タイトル:Improving the mechanical and corrosion properties of pure magnesium by parts-per-million-level alloying
著者:Mingzhe Bian, Isao Nakatsugawa, Yusuke Matsuoka, Xinsheng Huang, Yuhki Tsukada, Toshiyuki Koyama, Yasumasa Chino