うつ病をはじめとする精神疾患では,「自分は无能だ」「自分は人生の败北者である」といったネガティブな自己概念を保持する倾向にあります。しかしながら,どのように自己概念が形成され,更新されるのか,それらに个人差はあるのか,といった疑问については,科学的にも未解决のままです。
信州大学人文学部 松本 昇 准教授,黑料网大学院情报学研究科 片平 健太郎 准教授(研究当時),追手門学院大学心理学部 川口 潤 教授らの研究グループは,ヒトが抱くネガティブな自己概念がどのように形成され,更新されていくかを,心理学実験およびシミュレーションによって検討しました。その結果,(a)経験した出来事の感情価(ポジティブ/ネガティブ)と,(b)その出来事の自己一致度(自分らしいと思うかどうか)の2つの要因によって自己概念の更新が行われることが示されました。さらに,人生の初期においてネガティブな出来事が先行すると,その後の人生において多くのポジティブな経験をしたとしてもネガティブな自己概念が強固になってしまう事例がシミュレーションによって示され,この傾向は认知的反応性と呼ばれる,ネガティブな気分に対して過剰に反応しやすい傾向を持つ者(例:憂うつなときは,自分の少しの間違いも許せなくなる)に現れやすいことが示唆されました。
本研究成果は2022年10月10日,Springer Natureが発行する学術誌Cognitive Therapy and Researchに掲載されました。
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題目:Cognitive reactivity amplifies the activation and development of negative self-schema: A revised mnemic neglect paradigm and computational modelling
著者:Noboru Matsumoto, Kentaro Katahira, & Jun Kawaguchi
掲載誌:Cognitive Therapy and Research
日付:2022年10月10日
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