国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院工学研究科の安井 隆雄 准教授、馬場 嘉信 教授らの研究グループは、未来社会创造机构の夏目 敦至 特任教授、東京大学大学院工学系研究科の柳田 剛 教授、長島 一樹 准教授との共同で、EVsの新しい解析プラットフォームを開発し、当プラットフォームで捕捉するEVsの膜たんぱく質の発現量が、脳肿疡診断の新しい指標として利用可能であることを発見しました。
疾病のバイオマーカーとして注目されているEVsは、由来する細胞によって発現する膜たんぱく質の種類が異なる不均一な集団です。本研究では、ウェルプレートの底面にナノスケールの棒(ナノワイヤ)を配置し、EV捕捉とEV膜タンパク質の検出を同時に行うオールインワンプラットフォームを開発しました。このプラットフォームにより、脳肿疡患者や非がん患者の尿サンプル中EVsの特定の2種類の膜たんぱく質の発現量比を調べたところ、発現量比が異なることが明らかとなりました。このプラットフォームを用い、他のがん患者の尿中贰痴蝉の特定の膜たんぱく质の発现量解析を进展させることで、多种のがんの早期検知が可能になると期待されます。
本研究成果は、2023年1月19日付アメリカ化学会誌「ACS Nano」のオンライン版に公開されました。
?脳肿疡は手足の麻痺等の症状が出現して初めて検査されることが多く、発見された時には手術で完全に取り除くことが難しいくらい進行していることがある。脳肿疡の生存率上昇には脳肿疡の早期発見が必要。
?细胞外小胞(Extracellular vesicles:以下EVs)注1)には、がんや病気に関连する膜たんぱく质が含まれるため、バイオマーカー注2)として利用が期待されている。
?ウェルプレート注3)の底面にナノワイヤ注4)を作製し、贰痴蝉の捕捉と贰痴蝉の膜タンパク质の検出を同时に行うオールインワンプラットフォームを开発した。
?脳肿疡患者と非がん患者の尿10滴から、オールインワンプラットフォームでEVsを捕捉?膜タンパク質検出を行い、膜タンパク質の発現量比(CD31/CD63)が両者で異なることを見出した。
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注1)细胞外小胞(Extracellular vesicles:EVs):
细胞が分泌する直径40~2000苍尘の小胞体。
注2)バイオマーカー:
ある疾患の有无や、进行状态を示す目安となる生理学的指标。
注3)ウェルプレート:
多数のくぼみ(穴またはウェル)のついた平板からなる実験?検査器具で、各ウェルを试験管あるいはシャーレとして利用するものをいう。
注4)ナノワイヤ:
数10~100苍尘の大きさから构成される一次元の棒状のナノ构造体。
雑誌名:ACS Nano
論文タイトル:All-in-one nanowire assay system for capture and analysis of extracellular vesicles from an ex vivo brain tumor model
著者:Kunanon Chattrairat1*, Takao Yasui1-3*, Shunsuke Suzuki1, Atsushi Natsume3, Kazuki Nagashima2,5, Mikiko Iida1, Zhang Min1, Taisuke Shimada1, Akira Kato3, Kosuke Aoki3, Fumiharu Ohka4, Shintaro Yamazaki4, Takeshi Yanagida5, and Yoshinobu Baba1,3,6*
1Department of Biomolecular Engineering, Graduate School of Engineering, 黑料网, Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8603, Japan.
2Japan Science and Technology Agency (JST), PRESTO, 4-1-8 Honcho, Kawaguchi, Saitama 332-0012, Japan.
3Institute of Nano-Life-Systems, Institutes of Innovation for Future Society, 黑料网, Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8603, Japan.
4Department of Neurosurgery, School of Medicine, 黑料网, 65 Tsurumai-cho, Showa-ku, Nagoya 466-8550, Japan.
5Department of Applied Chemistry, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo, 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8656, Japan.
6Institute of Quantum Life Science, National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology, Anagawa 4-9-1, Inage-ku, Chiba 263-8555, Japan.
DOI: 10.1021/acsnano.2c08526
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