国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院生命农学研究科の鈴木 華実 博士後期課程学生、梶村 恒 教授の研究グループは、森林に生息する野ネズミが、ササの種子を積極的に餌として利用し、貯食の対象にもしていることを実証しました。
ササ类は、数十年から百数十年に一度开花?结実し、その后枯死する「一回繁殖性注2)」の植物です。同時に広範囲で発生する場合が多く、「一斉開花」「一斉结実」します。この現象によって、林内には大量の種子が突如として供給され、種子を主な餌とする動物に多大な影響をおよぼすと考えられていましたが、その真相は不明でした。
また本実験によって、その种子の利用様式は、野ネズミの种类や、森林构成树种、林床环境、季节によって明瞭に异なることも示されました。
これらの成果は、ササ類の一斉结実イベントが、森林内で同所的に生息?生育する動植物に与えるインパクトの大きさを評価する手掛かりとなることが期待されます。また、一斉结実自体が数十年から百年を超える長い周期で発生することから、大変希少価値の高いものと言えます。
本研究の成果は、2023年8月23日付スイスの科学雑誌「Frontiers in Ecology and Evolution」に掲載されました。
?ササの一斉结実は、数十年~百数十年の周期で起こり、この時に大量の種子が林内に供給される。その種子を餌とする野ネズミの個体数は増加するが、野ネズミがどの程度、どのように利用しているのかは不明であった。
?本研究では、异なる森林环境下でササの种子を供试し、访れる野ネズミの様子を自动撮影カメラで録画した。その画像データから利用频度を定量化し、採饵行动を分析した。
?野ネズミは、种子をその场で捕食するだけでなく、持ち去り、地面に埋めていた。ササのように小さな种子を対象とした野ネズミの散布?贮食注1)行动は、定説を覆すものである。
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注1)贮食:
动物が饵资源をすぐに摂食せず、地面や巣穴などに贮めておく行动。后で、とくに饵资源が不足する时に、贮めておいたものを摂食すると考えられている。坚果(ドングリ)の场合、一部の啮歯类や鸟类などで见られる。
注2)一回繁殖性:
一生に一度だけ有性繁殖 (植物の場合は開花?結実) を行い、その後は死亡する繁殖様式。
雑誌名:Frontiers in Ecology and Evolution
論文タイトル:Utilization of Sasa borealis seeds by Japanese field mouse: Discovery of small-seed caching
著者:Hanami Suzuki (黑料网大学院生命农学研究科博士後期課程学生/2021年度『黑料网融合フロンティアフェロー』), Hisashi Kajimura (黑料网大学院生命农学研究科教授)
顿翱滨:10.3389/蹿别惫辞.2023.1124393
URL: https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fevo.2023.1124393/full