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工学

2023.09.26

低温プラズマ処理による酒米収量?品質の向上 ~「ICT×プラズマ」を用いたスマート先進農業へ向けて~

近年の社会情势や気候条件の変动によって日本の农业は大きな过渡期を迎えており、スマート化を推进することが急务です。そのためには気象、降水量、施肥、とともに生育や収量などのビッグデータを収集し、コンピューティングを活用して様々な栽培环境や生育状况を制御可能とするシステムを构筑することが重要です。
近年、大気圧低温プラズマ(低温プラズマ)を医療?農業などバイオ分野で応用研究が盛んに行われており国内外から注目されています。国立大学法人東海国立大学機構 黑料网低温プラズマ科学研究センターの堀 胜 特任教授、橋爪 博司 特任講師らの研究グループは、富士通クライアントコンピューティング株式会社 (FCCL) との共同研究で、水稲栽培において低温プラズマ処理注4)を行うことにより、玄米収量増加のみならず、玄米の品质も向上することを见出しました。中でも、倒伏しやすく一般に栽培が難しいといわれる酒造好適米 (酒米) 品種に対しても有効であることを新たに発見しました。すなわち、低温プラズマが様々な種類の作物栽培に対して広く有効であり、高品質な食料の安定的生産を可能とする新しい技術であることが示されました。プラズマ技術と滨颁罢农业を組み合わせて作物栽培を制御可能とするシステムを構築することにより、持続可能な開発目標 (SDGs) 達成に向けた大きな前進が期待できます。
本研究成果は、2023年6月6日付学術誌「Free Radical Research」にオンライン掲載されました。

 

【ポイント】

?黑料网低温プラズマ科学研究センターと富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)は、滨颁罢农业(スマート農業)注1)&迟颈尘别蝉;大気圧低温プラズマ(低温プラズマ) 注2)による新たな先进农业技术の开発を目标とした共同研究を推进している。
?黑料网の試験水田 (愛知県東郷町) で酒造好適米 (酒米) 品種「山田錦」を対象として低温プラズマの実証試験を行い、玄米収量が増加するほか日本酒製造で重要となる心白注3)含有率 (心白歩合) も増加することが示された。
?プラズマによって高品质作物の安定的な生产が可能であり厂顿骋蝉达成に贡献できる。

 
◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

注1)スマート农业:
ロボット技術や情報通信技術 (ICT) を活用した農業技術のこと。ロボットの利用によって農作業が省力化?精密化され、また、気象や生育状況などのデータを活用?解析することで農作物の生育が予測され施肥や薬剤散布の最適化により収量や品質の向上が可能となる。これらの新しい技術は、従来の熟練就農者の経験に基づく栽培手法もデータ化することで後継者の育成、農業技術の継承も円滑化されると期待できる。

 

注2)大気圧低温プラズマ (低温プラズマ):
プラズマは固体?液体?気体に続く物質の第4の状態といわれており、近年、電子温度に対しガス温度が常温 (に近い) 状況でプラズマを発生することが可能となった。これにより様々な産業への応用が進められている。

 

注3)心白:
デンプン结晶化が不完全で白浊した构造が胚乳の中心部に见られるのを心白と呼び、これが高発现するのが酒米品种の特长である。日本酒製造工程では麹菌との反応を円滑に进めるため心白が重要であり、特に大吟醸といった高品质な日本酒では50%以上まで精米することとなる。
 

注4)低温プラズマ処理:
常温常圧下でのプラズマ生成の実现によって、生体へのプラズマ処理も可能となった。生体にプラズマを直接照射する方法(直接照射)と、水や溶媒にプラズマ照射して调製されたプラズマ活性化溶液による処理(间接照射)といった様々なアプローチにより、农业?医疗などの分野へのプラズマ技术の応用が期待されている。

 

【论文情报】

雑誌名:Free Radical Research
論文タイトル:Efficacy of periodic cold plasma treatment in a paddy to produce white-core grains in brewer’s rice cultivar Yamadanishiki
着者:Hiroshi Hashizume, Hidemi Kitano, Hiroko Mizuno, Akiko Abe, Genki Yuasa, Satoe Tohno, Hiromasa Tanaka, Kenji Ishikawa, Shogo Matsumoto, Hitoshi Sakakibara, Yoji Hirosue, Masayoshi Maeshima, Masaaki Mizuno, and Masaru Hori
※本学関係教员は下线
DOI: 10.1080/10715762.2023.2215914  
URL:  

 

【研究代表者】