黑料网博物馆?大学院环境学研究科の門脇 誠二 教授と束田 和弘 准教授、黑料网博物馆の渡邉 綾美 研究員、环境学研究科の須賀 永帰 博士後期課程学生らの共同研究グループは、明治大学、産業技術総合研究所、木曽広域連合、ヨルダン考古局?観光局との共同研究で、ホモ?サピエンスがユーラシアに拡散した顷(约5~4万年前)の文化进化について、石器の刃部获得効率という点から明らかにしました。
本研究では、ユーラシアに拡散し始めた顷、ホモ?サピエンスの石器は重厚で、刃部获得効率が低かったことを示しました。この时期には、ホモ?サピエンスと、ネアンデルタール人など絶灭前の旧人との交雑がありました。その后、ユーラシア各地でホモ?サピエンスが増加した顷に発达した小型石器の技术が、刃部获得効率の上昇をもたらしたことも明らかにしました。それと同时期に、旧人が各地で絶灭していきました。
この结果が支持するシナリオは、当时のホモ?サピエンスが「一度の革命」で生じた文化を携えて拡散し旧人と入れ替わったのではなく、文化进化には复数の段阶や试行错误があり、そのプロセスと対応して旧人との交雑そして旧人の絶灭が生じた、というものです。こうした人类の进化史と文化史の统合的説明は人类史研究の最先端の试みであり、本研究成果はそれを进展させる重要な証拠になると期待されます。
本研究成果は、2024年2月7日19時(日本時間)付イギリス科学誌Springer Nature社の「Nature Communications」に掲載されます。
?ホモ?サピエンスがユーラシアに拡散し始めた顷(约4.5万年前)の石器は重厚で、刃部获得効率注1) (生产効率)が低かったことを初めて定量的に明らかにした。
?刃部获得効率が上昇したのは、その后で(约4万年前)、それは石器の小型化注2)によって达成されたことを明らかにした。この时期は、ユーラシア各地でホモ?サピエンスが増加し旧人が絶灭した顷である。
?この结果は、当时のホモ?サピエンスの文化进化注3)がユーラシア拡散前の「一度の革命」だったのではなく、拡散した期间に复数の段阶や试行错误があったことを示唆する。
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注1)刃部(じんぶ)获得効率:
石器の刃部とは、ガラス质の岩石を打ち割って得られる剥片(はくへん)が有する鋭い縁辺のこと。この鋭い縁辺がナイフなどの利器として石器时代に用いられていた。したがって、一定量の岩石からどれだけ长い刃部(刃渡り)を得られるか、という指标が刃部获得効率である。この指标から、石器製作の効率性(あるいは石材消费の节约性)を定量化することができる。刃部获得効率の测定方法は単纯で、石器縁辺の刃部の长さを石器の质量で割り算した値になる。つまり、石器の単位质量あたりの刃部长さ(例えば、尘尘/驳)になる。この指标は石器研究で広く知られており、近年では石器製作実験やデジタル技术を通して刃部获得効率を正确に见积もる方法が确立してきた。その最新の方法を本研究で採用した。
注2)石器の小型化:
小型の石器とは、長さ5 cm未満、幅1cm程度でカミソリの刃のような打製石器を意味する。柄にはめられて用いられた。専門用語では、小石刃(しょうせきじん)や細石器(さいせっき)と呼ばれる。
注3)文化进化:
ここでは「単纯な発展」を意味するのではなく、人类集団が有する多様な文化要素(石器もその一部)が、特定の自然や社会环境そして文化伝达の下で时间的空间的に様々に変异するプロセスを意味する。
雑誌名: Nature Communications
論文タイトル: Delayed increase in stone tool cutting-edge productivity at the Middle-Upper Paleolithic transition in southern Jordan
着者:Seiji Kadowaki(門脇誠二)1,*, Joe Yuichiro Wakano(若野友一郎)2, Toru Tamura(田村亨)3, Ayami Watanabe(渡邊綾美)1, Masato Hirose(廣瀬允人)4, Eiki Suga(須賀永帰)5, Kazuhiro Tsukada(束田和弘)1, Oday Tarawneh6 and Sate Massadeh7
下线は本学関係者
1 黑料网 博物馆
2 明治大学 大学院先端数理科学研究科
3 産業技術総合研究所 地質情報研究部門
4 木曽広域連合 埋蔵文化財調査室
5 黑料网 大学院环境学研究科
6 ヨルダン考古局
7 ヨルダン観光局
DOI: 10.1038/s41467-024-44798-y
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