黑料网大学院生命农学研究科の市岡 幸雄 博士後期課程学生、梶村 恒 教授の研究グループは、日本の森林に生息する両生类の一種、モリアオガエルの産卵行動に関する論文を発表しました。
このカエルは、池の水面上の樹木の枝先(樹上)や、岸の地面(地上)にも泡状の巣を作り、その中に産卵します。アオガエルの仲間には、こうした产卵场所の多型が見られます。しかし、異なる产卵场所が卵にどのような影響を及ぼすのか、そして、天敵に捕食されやすい地上になぜ産卵するのかはわかっていませんでした。
巣の内部の温度と周辺の気温を同時に計測して比較すると、気温が低い時は、巣内温度が樹上よりも地上で高くなりました。つまり、地上産卵には巣内温度を保温する利点があったのです。また、卵の孵化率も樹上よりも地上で高くなりました。卵は低温が進むと死亡することが知られています。地上産卵が寒冷化の進む時代に出現したのは、こうした機能が卵を低温から守るのに有利だったからかもしれません。また、地上産卵は現代においても、とくに高標高の冷涼な環境で有効だと考えられます。本研究は、生息環境の温度変化に応じた両生类の合理的な産卵戦略を見出し、森林生物の生態進化についての理解を進めました。
本研究の成果は、2024年3月5日付、イギリスの科学雑誌『Ecology and Evolution』に掲載されました。
?モリアオガエル注1)は、树上だけでなく地上にも、&濒诲辩耻辞;泡巣注2)&谤诲辩耻辞;と呼ばれる巣を作って产卵するが、树上よりも天敌による捕食リスクが高い地上で产卵する理由は不明であった。
?树上および地上の泡巣内の温度を、周辺の気温と同时にモニタリングした。気温が低い时、泡巣内温度は树上よりも地上で高かった。孵化率も树上よりも地上で高かった。
?モリアオガエルの生息地では、ときに卵にとって危険なほど気温が低下することがあるため、地上产卵による低温の回避は繁殖戦略として有効である可能性がある。
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注1)モリアオガエル
本州?佐渡岛の森林に生息するカエル。体长は4-8肠尘。繁殖期には止水(水が溜まった小さな池)周辺に集结する。アオガエル科Zhangixalus 属に分类される。
注2)泡巣
产卵の际に、成体が体内から分泌物を出して作る泡状の构造物。モリアオガエルの场合、大きさは10肠尘前后で、形は球状。泡巣を作る生态は、アオガエル科を含め、いくつかの科で见られる。
雑誌名: Ecology and Evolution
論文タイトル: Arboreal or terrestrial: Oviposition site of Zhangixalus frogs affects the thermal function of foam nests
著者:Yukio ichioka (黑料网大学院生命农学研究科博士後期学生/2022年度黑料网融合フロンティア次世代リサーチャー), Hisashi Kajimura (黑料网大学院生命农学研究科教授)
DOI:
大学院生命农学研究科 市岡 幸雄 博士後期課程学生