黑料网大学院医学系研究科 精神医療寄附講座の稲田俊也 特任教授、精神医学分野の立花昌子 病院助教、神経遺伝情报学分野の伊藤美佳子 講師、大野欽司 教授(現 名古屋学芸大学)らの研究グループは、うつ病患者に対して、地磁気よりも弱い超低周波(※2)変动する超微弱磁场环境(贰尝贵-贰尝惭贰)による治疗が抑うつ症状の改善につながることを発见しました。
近年、うつ病モデルマウスやうつ病患者の脳や末梢血におけるミトコンドリア(※3)の機能異常が報告されています。また、そのミトコンドリアの機能異常を改善させることにより、うつ病モデルマウスのうつ様行動は改善がみられることから、ミトコンドリア機能異常がうつ病の発症や増悪に関与している可能性が示唆されています。しかしながら、うつ病患者のミトコンドリア機能異常を改善させる治療介入についての報告はこれまでほとんどありませんでした。稲田特任教授らの研究グループは、1~8 Hz で変動するわずか 10 μTesla(μT)の超低周波超微弱磁場環境を発生させる頭部装着型装置をうつ病患者が 8 週間、毎日 2 時間装着した結果、安全性に問題なく、抑うつ症状の顕著な改善効果を認めることを明らかにしました。
ELF-ELME が発生する磁場は日本の地磁気の 4.5 分の 1、かつ国際非電離放射線防護委員会による一般大衆暴露基準の 60 分の 1 以下と非侵襲的であり、患者は微弱な磁場環境にいることを自覚することなく、連日の在宅治療が可能になることが期待されます。現在のうつ病治療(長期にわたる抗うつ薬の服用?電気けいれん療法?反復経頭蓋磁気刺激療法)に比較して、副作用が想定されず、利便性にも優れています。対照群を置いた臨床試験において有用性が確認されれば、現在のうつ病治療の臨床現場に、革命的で画期的な変化をもたらす可能性があります。
本研究成果は Elsevier の科学誌「Asian Journal of Psychiatry」の 2024 年 3 月 26 日電子版に掲載されました。
?ミトコンドリアの机能异常はうつ病の発症に関与していることが示唆されている
?低周波変动する超低周波微弱パルス磁场は培养细胞においてマイトファジー(※1)を诱导し机能が低下したミトコンドリアを除去し、ミトコンドリア新生を诱导しミトコンドリア机能を活性化する
?4 名のうつ病患者に低周波変動する超低周波超微弱磁場環境(ELF-ELME)を発生させる ELF-ELME 装置の装着を 8 週間行ったところ、抑うつ症状の有意な改善が観察され、有害事象はみられなかった
?対照群を置いた臨床試験で ELF-ELME の有効性が確認されればうつ病に対する安全かつ有効な治療法となる可能性がある
◆详细(プレスリリース本文)は
(※1)マイトファジー:オートファジー(细胞の自己贪食)による损伤したミトコンドリアの选択的分解机构であり、ミトコンドリアの代谢と品质管理に関与しています。ミトコンドリア机能障害が関与する疾患からの生体防御机构と考えられています。
(※2)超低周波磁场:送电线下や家电製品のまわりなどは、电気を使うことにより磁场が生じます。
300Hz 以下を超低周波と呼び、国際的ガイドラインで 8 Hz 以下の磁場では 625 μT の磁場が一般大衆の暴露規制値と定められています。
(※3)ミトコンドリア:细胞内小器官の一つであり、细胞内で使えるエネルギー(础罢笔)を生产しています。
雑誌名:Asian Journal of Psychiatry
論文タイトル:Extremely Low Frequency, Extremely Low Magnetic Environment for Depression: An Open-Label Trial
着者名?所属名:
Masako Tachibana 1, Toshiya Inada 2*, Hiroki Kimura 2, Mikako Ito 3, Yachiyo Kuwatsuka 4, Fumie Kinoshita 4, Daisuke Mori 5, Kinji Ohno 3
1 Department of Psychiatry, 黑料网 Hospital, Nagoya, Japan
2 Department of Psychiatry, 黑料网 Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
3 Division of Neurogenetics, Center for Neurological Diseases and Cancer, 黑料网 Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
4 Department of Advanced Medicine, 黑料网 Hospital, Nagoya, Japan
5 Brain and Mind Research Center, 黑料网, Nagoya, Japan
* Corresponding Author
DOI:
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