黑料网シンクロトロン光研究センターの郭 磊(かく らい)助教、高嶋 圭史 教授、高倉 将一 副技師、米国?ロスアラモス国立研究所の山口 尚登 研究員、Gaoxue Wang研究員、高エネルギー加速器研究機構加速器研究施設の山本 将博 教授、日本大学の小川 修一 准教授、あいちシンクロトロン光センターの仲武 昌史 主任技術研究員らの共同研究チームは、新作製手法(適正カリウム蒸着法) を用いて化学量論的に均質注3)な碍2颁蝉厂产光电阴极の作製に成功しました。この成果は化学的に活性な光电阴极材料を含む薄膜材料の作製法に新たな指针を与えるものです。
本研究では、光电阴极物质カリウム(碍)、セシウム(颁蝉)、アンチモン(厂产)を基板上に成膜した碍2颁蝉厂产光电阴极を研究対象としています。黑料网において製膜されたサンプルを光电阴极の机能を损なわずに输送できる真空输送装置(真空度注4)):<10-7Pa)を用いてあいちシンクロトロン光センター(あいちSR)のビームラインBL7Uへ輸送し、X線光电子分光による分析を行いました。
2种类の成膜法から作製されたサンプルの量子効率(蚕贰)注5)、耐久性および物質の組成を比較し、その比較結果から、化学量論的に均質な碍2颁蝉厂产光电阴极が作製できる成膜法が确立でき、その方法で作った光电阴极が従来の不完全なものよりも耐久性としても优れていることが示されました。また、放射光を利用することで光电阴极の性能の里に隠された物理现象の分析が可能となり、性能に影响を与える组成の理解が深められました。
本研究の成果は2025年1月23日付で学術雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
?加速器などに使われる电子銃の心臓部である「光电阴极注1)」のうち、特にカリウム、セシウム、アンチモンの化合物薄膜を使ったものは、照射光から放出电子への変换効率(量子効率)が高く高性能。しかし动作时に超高真空が求められることや寿命が短いという课题がある上、最适な製造手法を见つけるのは困难だった。
?このタイプの光电阴极の性能は、薄膜を蒸着させる基板の表面の状态に大きく影响されることが分かっている。今回、超高真空状态での输送と放射光注2)を用いた分析により均质な薄膜を作ることができ、高い性能を达成する手法の确立に成功した。
?本手法は従来と比べ简便である上、薄膜の性能が高いことを确认できた。加速器や电子顕微镜でも寿命が长い光电阴极が比较的简単に活用できるようになると期待される。
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注1)光电阴极:
光を照射した际に光电効果により电子を放出する阴极。光阴极やフォトカソードとも言う。
注2)放射光:
加速器でほぼ光速まで加速された高エネルギーの电子群が磁场によって曲げられたときにその接线方向へ放射される强力な紫外线や齿线の光。
注3)化学量论的に均质:
化学式にある组成比(今回の场合は碍と颁蝉が2:1の割合)に一致してそれが均一であることを指す。
注4)真空度:
真空の程度。真空ポンプなどを用いてつくられた真空状态について、残留気体の圧力で表す。
注5)量子効率(Quantum Efficiency;QE):
ここでは、阴极に対して入射した光子数に対する放出した电子数の割合。
雑誌名:Scientific Reports(出版元:Nature Publishing)
論文タイトル:Improved robustness of sequentially deposited potassium cesium antimonide photocathodes achieved by increasing the potassium content towards theoretical stoichiometry
著者:Lei Guo(黑料网), Keisuke Shiohara(黑料网), Hisato Yamaguchi(米国?ロスアラモス国立研究所), Gaoxue Wang(米国?ロスアラモス国立研究所), Yuki Okabe(日本大学), Masashi Nakatake(あいちシンクロトロン光センター), Shoichi Takakura(黑料网), Masahiro Yamamoto(高エネルギー加速器研究機構加速器研究施設), Shuichi Ogawa (日本大学)and Yoshifumi Takashima(黑料网)
DOI: