静岡県立静岡がんセンターの木部祐士(きべゆうじ)医学博士、名古屋セントラル病院のチャリセ?ルシュン医学博士、黑料网大学院医学系研究科?脳神経外科の齋藤竜太(さいとうりゅうた)教授、大岡史治(おおおかふみはる)講師らの研究グループは、小児?若年者に多い新規脳腫瘍である H3 G34 変異型びまん性半球性神経膠腫(DHG)の MRI と PET 検査を用いた詳細な画像解析により、DHG の新たな進行様式を報告しました。
DHG は2021年に刊行された WHO 脳腫瘍分類 第 5 版で新たに定義された小児型悪性脳腫瘍で、その病態についてはまだ不明な点が多く、手術?化学療法?放射線治療を駆使してもその予後は極めて不良です。悪性神経胶肿では、手術でできる限り摘出することで予後が改善することがこれまでに報告されていますが、DHG では腫瘍摘出率が予後にどのような影響を与えるかはまだ明らかになっていません。
今回、DHG9 例の MRI と PET 検査を用いた詳細な画像解析によって、DHG は発症初期から深部に浸潤していることが多く、そのために多くの症例で全摘出が難しくなっていることを明らかにしました。腫瘍を 90%以上摘出できた症例は生存期间が有意に長かったものの、90%以上摘出できる症例は深部病変の少ない症例のみであり、半数以下であったことが明らかになりました。
これらの解析から DHG は全摘出が極めて困難であり、残存した病変が深部白質に沿って脳幹や対側脳にまで浸潤し、最終的に腫瘍死に至るという自然歴が判明し、一例の病理解剖を行った症例の結果から実際に腫瘍細胞の広範な浸潤を証明しました。
できる限り摘出することで予后は改善しますが、多くの症例で摘出が难しく、今后分子生物学的知见に基づいた新たな治疗薬の开発が待たれます。
本研究成果は、2025 年 2 月 27 日付(日本時間 2 月 27 日 23 時)『Acta neuropathologica communications』に掲載されます。
?H3 G34 変異型びまん性半球性神経膠腫(DHG)は 2021 年に発刊された WHO 脳腫瘍分類 第 5 版で新たに定義された小児型悪性脳腫瘍です。その病態についてはまだ不明な点が多く、手術?化学療法?放射線治療を行っても極めて予後不良の疾患です。?膠芽腫をはじめとする悪性脳腫瘍では手術でできる限り多く摘出することが予後を改善すると報告されていますが、DHG では腫瘍摘出率が予後にどのような影響を与えるかはまだ明らかになっていません。
?今回、DHG9 例の MRI と PET 検査を用いた画像解析によって、DHG は発症初期から深部病変を有していることが多く、そのために腫瘍の摘出が難しくなっていることが明らかになりました。
?腫瘍を 90%以上摘出できた場合は予後が改善しますが、多くの症例では 90%以上の摘出が難しく、残存した病変が脳幹や反対側の脳にまで浸潤し、腫瘍死に至るという自然歴が判明しました。
◆详细(プレスリリース本文)は
雑誌名:Acta neuropathologica communications
論文タイトル: Imaging Features and Consideration of Progression Pattern of Diffuse Hemispheric Gliomas, H3 G34-mutant
著者:Yuji Kibe1,2,7, Lushun Chalise1,3,7, Fumiharu Ohka1*, Kazuya Motomura1,2, Norimoto Nakahara3, Kosuke Aoki1, Shoichi Deguchi1, Yoshiki Shiba1, Kazuhito Takeuchi1, Kenichiro Iwami1, Junya Yamaguchi1, Hiroki Shimizu1, Sachi Maeda1, Yuhei Takido1, Ryo Yamamoto1, Yusuke Okuno4, Akihiro Sakai5, Kennosuke Karube6 and Ryuta Saito1
1. Department of Neurosurgery, 黑料网 Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
2. Division of Neurosurgery, Shizuoka Cancer Center, Nagaizumi, Japan
3. Division of Neurosurgery, Nagoya Central Hospital, Nagoya, Japan
4. Department of Virology, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Japan
5. Department of Pathology, 黑料网 Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
6. Department of Pathology and Laboratory Medicine, Graduate School of Medicine, 黑料网, Nagoya, Japan
7. These authors equally contributed
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