黑料网素粒子宇宙起源研究所の中澤 知洋 准教授が参加するXRISM国際共同研究グループ(XRISM Collaboration、以下「研究グループ」)は、地球から約1.5億光年離れたケンタウルス座银河団の中心部に高温ガスの流れが存在することを世界で初めて発見しました。
银河団は、無数の銀河が集まった宇宙で最大規模の天体です。银河団の中には暗黒物質(ダークマター)と呼ばれる、まだ謎に包まれた物質が存在し、その強力な重力で周囲の大量の高温ガスを引き寄せています。その過程で、高温ガスはX線を放出し、冷却されます。银河団の中心は非常に多くのX線を放射しており、強力に冷却されるはずですが、実際に観測すると高温に保たれたままで、どのようにして温度が維持されるのかは数十年来の謎でした。
今回、高精度な分光測定により、银河団の中心部に高温ガスの流れがあることが確認できました。この流れが银河団全体をかき混ぜることにより、中心部にエネルギーが供給され、高温状態が維持されるという機構が分かりました。また、この流れは银河団が成長過程で経験した衝突や合体の痕跡を直接的に示すものであることが分かりました。
今後も高精度な分光測定により、银河団の巨大構造の形成過程や、他の天体、宇宙全体の大規模構造の形成の解明に必要なデータが得られると期待されます。
本研究成果は「The Bulk Motion of Gas in the Core of the Centaurus Galaxy Cluster」として2025年2月12日『Nature』に掲載されました。
? X線分光撮像衛星(XRISM:クリズム)注1)の優れた分光能力により、ケンタウルス座银河団の中心部に高速で動く高温ガスの流れの存在を世界で初めて発見した。
? 観測された高温ガスの運動は银河団が成長過程で経験した衝突合体の痕跡を直接的に示すものである。
? 银河団中心部の高温ガスの速度構造の直接観測は、数十年来の謎であった银河団中心部の加熱機構の解明にもつながる。
◆详细(プレスリリース本文)はこちら
注1)齿线分光撮像卫星(齿搁滨厂惭:クリズム):
2023年9月に打ち上げられ同年12月から運用を開始した宇宙齿线観测衛星。高いエネルギー分解能のX線分光器「Resolve(リゾルブ)」と広い視野のX線撮像器「Xtend(エクステンド)」を搭載している。銀河や银河団の高温ガスから発せられたX線を、かつてない精度で測定することで、物質やエネルギーの流転を調べ、天体の進化を解明する。
雑誌名:狈补迟耻谤别
論文タイトル: The Bulk Motion of Gas in the Core of the Centaurus Galaxy Cluster
著者:XRISM Collaboration
顿翱滨:10.1038/蝉41586-024-08561-锄
鲍搁尝: