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2019.10.17

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サイエンストーク『原始生命の生存戦略』。小惑星衝突を生き抜いた微生物の生存戦略とは!?

 

 

 

 

(より引用)

 

 

サイエンスとモノづくりの祭典、

その一环として、市民と専门家との対话イベントである「」が名古屋市内の5か所で开催されています。

 

 

今回は、2019年10月17日に文化系饮食店「ボクモ」にて开催されたサイエンストーク『原始生命の生存戦略ー小惑星衝突イベントを生き抜く!』に参加してきました!

 

 

 

 

 

文化系饮食店「ボクモ」は「骋厂栄ビル」の地下1阶にある。

 

 

は、名古屋市営地下鉄名城线「矢场町駅」から徒歩3分の场所にある饮食店です。さまざまな文化系イベントの主催もしています。

 

 

 

阶段を降りてすぐの外観。様々なオブジェが独特な雰囲気を醸し出す。

 

ボクモでは1オーダー制で、専门家の讲演を闻きながら食事やワイン?ビールなどを楽しむことができます。

 

 

 

宇宙生物学の教授による讲演

 

 

 

今回の讲演者は、黑料网大学院环境学研究科の杉谷健一郎教授です!

 

研究分野は宇宙生物学(础蝉迟谤辞产颈辞濒辞驳测)で、地球及び地球外での生命の起源?进化?分布を研究する分野であるとのことです。

 

 

ちなみに、「大学院环境学研究科」は学部では理学部のに対応します。

黑料网の理学部は入学时には学科が决まっておらず、学部2年生に上がる际に学科分属がされます。僕も理学部物理学科3年生ですので、1年生の时に物理学科を选択して分属されました。

 

 

 

太古代――38~25亿年前の地球

 

讲演では、まずは25亿年以上前の时代であるにおける、地球の环境や生息していた微生物が绍介されました。

 

太古代は、(植物がいなかったため)酸素やオゾン层がなく、激しい火山活动に加えて小惑星の衝突も频繁に起こるという、生命にとっては非常に厳しい环境にあったと考えられています。

 

そのため、生息していた生物は単纯な构造の「原核生物」であったと考えられ、「微化石」と呼ばれる太古代の生物の化石も、小さく単纯な形状のものしか见つかっていませんでした。

 

 

 

太古代の地层から発见された新たな微化石群

 

しかし、杉谷教授は2001年に、大型で复雑な构造を持つ太古代の「微化石」をオーストラリアで见つけたといいます。

 

 

杉谷健一郎(2011) 「西オーストラリア?ピルバラ地塊における前~中期太古代微化石記録とその生物進化史における意義」、『地球化学』、45巻p.274 Fig.3 ()より引用

 

 

このページの一番上にも载せたレンズ状微化石もその1种です。

 

 

レンズ状微生物の微化石の写真

(より引用)

 

 

 

このレンズ状微生物の特徴として、①有机物の膜に覆われていたこと、②フランジと呼ばれる帽子のつばのような构造を持つこと、が挙げられます。

 

また、このレンズ状微生物の微化石が発见された地层では、小惑星衝突の証拠も见つかっています。そして、レンズ状微生物の微化石が、小惑星衝突が起きた时代の前后で见つかっていることから、レンズ状微生物が小惑星衝突を生き延びたことが示唆されています。

 

 

ここから考察をすると、レンズ状微生物は、顽丈な有机物の膜(细胞壁)によって小惑星の衝突や强力な紫外线から身を守っていたと考えられます。

 

さらに、フランジは水中に浮かぶことや表面积を増やすことに効果的であると考えられます。このため、レンズ状微生物は浅い海を漂いながら、太阳光を受けて光合成をしていた「光合成生物」であった可能性が高いとのことです。

 

 

 

レンズ状微生物の正体は?

 

&苍产蝉辫;大型で复雑な构造を持つレンズ状微生物は、现在生きている「原核生物」のカテゴリーには属しません。むしろ、私たちと同じ「真核生物」のカテゴリーに属しています。

 

しかし、太古代に真核生物が存在したとすると、现在の定説と真っ向からぶつかることになります。

 

 

そこで现在、レンズ状微生物の微化石を何万个も集めることで、レンズ状微生物に特有の分子を分析することを考えているとのことです。

 

 

もしかすると、レンズ状微生物は原核生物でも真核生物でもない、进化の过程で生まれて既に絶灭してしまった种の可能性もあるらしく、今后の展开に注目が集まります。

Profile

所属:理学部3年生

出身地:静冈県

出身校:静冈県立浜松南高校