国立大学法人東海国立大学機構 黑料网は、国立大学法人岩手大学、英国リバプール大学、国立大学法人京都大学との共同研究で、ネコのマタタビ反応が蚊の忌避活性を有する成分ネペタラクトールを体に擦りつけるための行動であることを解明しました。これは黑料网大学院生命农学研究科西川 俊夫 教授、岩手大学农学部宮崎 雅雄 教授、同大総合科学研究科上野山 怜子 大学院生らのグループによる研究成果です。
ネコがマタタビを嗅ぐと葉に体を擦り付けごろごろ転がる反応「マタタビ反応」は、マタタビ踊りとも言われ江戸時代から知られているとても有名な生物現象の一つです。しかしなぜネコがマタタビに特異な反応を示すのか、その生物学的な意義については全く分かっていませんでした。本研究では、まずマタタビの抽出物からネコにマタタビ反応を誘起する強力な活性物質「ネペタラクトール」を発見しました。次にこの物質を使ってネコの反応を詳細に解析して、マタタビ反応は、ネコがマタタビのにおいを体に擦りつけるための行動であることを明らかにしました。マタタビに含まれるネペタラクトールは、蚊の忌避効果があることも突き止め、ネコはマタタビ反応でネペタラクトールを体に付着させ蚊を忌避していることを立証しました。以上の研究成果は、なぜネコがマタタビに反応するのかという長年の謎に一つの重要な解答を与えるものです。またネペタラクトールは、人類にとっての天敵である寄生虫や伝染病を媒介する蚊の忌避剤として活用できる可能性を秘めていると考えます。本研究は、アメリカ科学振興協会が出版する科学雑誌「Science Advances」に令和3年1月21日午前4時(日本時間)に電子版で公開されました。
?マタタビからネコにマタタビ反応を诱起する强力な活性物质として「ネペタラクトール」を初めて同定しました。
?マタタビ反応とは、マタタビのにおいを颜や头、体を擦りつけるための行动であり、これによってネペタラクトールがネコの被毛に付着することが明らかになりました。
?ネペタラクトールは蚊を忌避する活性を示し、マタタビ反応は寄生虫や伝染病を媒介する蚊から身を守るために重要な行动であることが明らかになりました。
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掲載誌:Science Advances(日本時間2021年1月21日付け)
論文名:The characteristic response of domestic cats to plant iridoids allows them to gain chemical defense against mosquitoes
著者:Reiko Uenoyama, Tamako Miyazaki, Jane L. Hurst, Robert J. Beynon, Masaatsu Adachi, Takanobu Murooka, Ibuki Onoda, Yu Miyazawa, Rieko Katayama, Tetsuro Yamashita, Shuji Kaneko, Toshio Nishikawa, and Masao Miyazaki
顿翱滨番号:
【共同研究グループ】
岩手大学:宮崎雅雄(农学部応用生物化学科 教授)、上野山怜子(総合科学研究科农学専攻 大学院生)、宮崎珠子(农学部 日本学術振興会特別研究員RPD)、室岡孝信(农学研究科 大学院生:研究当時)、片山理恵子(农学部 研究員:研究当時)、山下哲郎(农学部応用生物化学科 教授)黑料网:西川俊夫(大学院生命农学研究科応用生命科学専攻 教授)、安立昌篤(大学院生命农学研究科応用生命科学専攻 講師:研究当時)、小野田伊吹(大学院生命农学研究科応用生命科学専攻 大学院生)、宮澤悠(大学院生命农学研究科応用生命科学専攻 大学院生:研究当時)リバプール大学(イギリス):Jane L. Hurst(リバプール大学 感染症?獣医?生態学研究所 教授)、Robert J. Beynon(リバプール大学 システム分子統合生物学研究所 教授)京都大学:金子周司(大学院薬学研究科生体機能解析学分野 教授)
本研究は、以下の研究事业の成果の一部として得られました。2017~2021年度文部科学省科学研究费补助金新学术领域研究、计画研究『化学コミュニケーションのフロンティア(领域代表者?掛谷秀昭)』の公募研究『ネコのマタタビ反応で机能する嗅覚受容体と多幸感に関わる神経回路の同定(研究代表者?宫崎雅雄)』