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生物学

2021.05.27

概日リズムの自在な操作を実現 ~時計キナーゼを光で調節する化合物を開発~

国立大学法人東海国立大学機構 黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の廣田 毅 特任准教授は、オランダ?グローニンゲン大学のBen Feringa教授、Wiktor Szymanski准教授、Dušan Kolarski研究員らとともに、概日时计を調節するキナーゼ阻害剤に、光で構造が変化する「光スイッチ」を組み込んだ化合物を開発し、哺乳類の細胞が示す概日リズムを光によって自在に操作することに成功しました。

概日时计は睡眠?覚醒などのさまざまな生理現象に見られる1日周期のリズムを支配しており、その機能が乱れると睡眠障害やメタボリックシンドローム、がんなどの疾患に影響を及ぼすことが指摘されています。今回の成果により、全身の細胞に存在する概日时计に対して、タイミングや場所を狙った操作の実現に向けた道が拓け、生物が1日の時間を測る仕組みの理解や疾患の制御への応用が進むと期待されます。

本研究成果は、2021年5月26日18時(日本時間)付英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。

 

【ポイント】

?时计キナーゼである颁碍滨の阻害剤に光スイッチとしてアゾベンゼンを导入した。

?この化合物は光に応答して颁碍滨の机能を可逆的に阻害した。

?哺乳类细胞の概日リズムの周期と时刻を光によって自在に操作することに成功した。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【论文情报】

雑誌名:            Nature Communications

論文タイトル:   Reversible modulation of circadian time with chronophotopharmacology

著者:                Dušan Kolarski, Carla Miró Vinyals, Akiko Sugiyama, Ashutosh Srivastava, Daisuke Ono, Yoshiko Nagai, Mui Iida, Kenichiro Itami, Florence Tama, Wiktor Szymanski, Tsuyoshi Hirota, Ben L. Feringa

論文公開日:    2021年5月26日

DOI:  10.1038/s41467-021-23301-x

URL: 

 

※【奥笔滨-滨罢产惭について】(丑迟迟辫://飞飞飞.颈迟产尘.苍补驳辞测补-耻.补肠.箩辫)

黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(滨罢产惭)は、2012年に文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(奥笔滨)の1つとして採択されました。黑料网の强みであった合成化学、动植物科学、理论科学を融合させ、新たな学问领域であるストライガ、植物ケミカルバイオロジー研究、化学时间生物学(ケミカルクロノバイオロジー)研究、化学駆动型ライブイメージング研究の4つのフラッグシップ研究を进めています。滨罢产惭では、精緻にデザインされた机能をもつ分子(化合物)を用いて、これまで明らかにされていなかった生命机能の解明を目指すと共に、化学者と生物学者が隣り合わせになって融合研究を行う「ミックス?ラボ、ミックス?オフィス」で化学と生物学の融合领域研究を展开しています。「ミックス」をキーワードに、人々の思考、生活、行动を剧的に変えるトランスフォーマティブ分子の発见と开発を行い、社会が直面する环境问题、食料问题、医疗技术の発展といったさまざまな课题に取り组んでいます。

 

【研究代表者】