国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院医学系研究科糖尿病?内分泌内科学の和田 絵梨 大学院生(筆頭著者)、同大医学部附属病院の尾上 剛史 病院助教、同大医学系研究科の有馬 寛教授らの研究グループは、グルタミン酸デカルボキシラーゼ自己抗体(抗 GAD 抗体)※1陽性の緩徐進行 1 型糖尿病患者※2 (厂笔滨顿顿惭)を対象としたコホート研究を実施し、ボディマス指数※3(BMI)が高値(≥22 kg/m2)であること、HbA1c※4が低値(<9.0%)であること、抗 GAD 抗体価が低値(<10.0 U/mL)であることが、診断後長期に渡るインスリン※5 非依存状态※6 の予测に有用であることを明らかにしました。
抗 GAD 抗体陽性で発症時にインスリンを必要としない糖尿病患者は SPIDDM または成人の潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)※7と定义され、通常数か月から数年の経过でインスリン依存状态※8となります。しかしながら SPIDDM と診断された患者の中には長期に渡りインスリン依存状態に進行しない方もいます。そこで我々は日常の臨床診療で測定可能な指標を使用して、SPIDDM の中からインスリン非依存性糖尿病患者を特定するための後ろ向きコホート研究※9を実施しました。
本研究では東海地方 8 病院の抗 GAD 抗体陽性者全員の電子カルテデータが調査され、診断時から治療経過を追える SPIDDM 患者 345 人が分析されました。多変量解析※10の結果、BMI、HbA1c 値、および抗 GAD 抗体価がインスリン療法への独立した要因であることが示されました。カプランマイヤー解析※11では、3 つの要因(BMI ≥22 kg/m2、HbA1c <9.0%、GADAb <10.0 U/mL)を全て有する SPIDDM 患者の 86.0%が SPIDDM 診断から 4 年後もインスリンを使用していませんでした。
本研究の結果から、SPIDDM 患者において、長期に渡りインスリン依存に至らない患者を予測できることが期待できます。そのような患者では、従来行われていた予防的インスリン投与が回避できる可能性があります。
本研究は、科学誌「Diabetologia」(2021 年 7 月 15 日付電子版)に掲載されました。
○ 緩徐進行 1 型糖尿病(SPIDDM)患者は通常数か月から数年の経過でインスリン依存状態となるが、一部に長期に渡りインスリン依存状態に進行しない患者もいる。
○ 本研究の結果、抗 GAD 抗体陽性の SPIDDM 患者において BMI 高値、HbA1c 低値、抗GAD抗体価低値は診断後長期に渡るインスリン非依存状态の予測に有用であることが明らかになった。
○ 本研究の成果を用いて、SPIDDM 患者の中から長期に渡りインスリン依存に至らない患者を予測できることが期待される。そのような患者においては、従来行われていた予防的インスリン投与が回避できる可能性がある。
◆详细(プレスリリース本文)は
(※1)グルタミン酸デカルボキシラーゼ自己抗体(抗 GAD 抗体):膵臓のインスリン分泌細胞などに存在する酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼに対する自己抗体。自己免疫が原因で発症する 1 型糖尿病患者の血液検査で陽性になることが多い。
(※2)緩徐進行 1 型糖尿病(SPIDDM):自己免疫が原因で発症する 1 型糖尿病の一種。発症時はインスリン治療を必要としないが、長期的にはインスリン治療を必要とすることが多い。
(※3)ボディマス指数(叠惭滨):肥り过ぎや痩せすぎなど体型の指标となる数値。体重(办驳)を身长(尘)の二乗で割ることで算出される。
(※4)贬产础1肠:血糖値の平均値を反映する血液検査项目。糖尿病のコントロールの指标となる。
(※5)インスリン:膵臓から分泌される血糖降下作用のあるホルモン。糖尿病の治疗薬(注射製剤)としても使用される。
(※6)インスリン非依存状态:糖尿病患者が治療のためにインスリンを必要としない状態。通常自分自身の膵臓からインスリンが分泌されている。
(※7)成人の潜在性自己免疫性糖尿病(LADA):SPIDDM に対応する欧米での疾患概念。
(※8)インスリン依存状态:糖尿病患者が治疗のためにインスリンを必要とする状态。通常自分自身の膵臓からのインスリン分泌が着しく低下している。
(※9)后ろ向きコホート研究:特定の条件を満たした集団を対象にして诊疗记録などから过去の出来事に関する调査を行う研究手法。
(※10)多変量解析:复数の変数に関するデータをもとに、これらの変数间の相互関连を分析する统计的方法。
(※11)カプランマイヤー解析:インスリン开始などのイベント発生までの时间を観察して、それらのデータ解析をする统计解析の方法。
掲雑誌名:顿颈补产别迟辞濒辞驳颈补
論文タイトル:Adult-onset autoimmune diabetes identified by glutamic acid decarboxylase autoantibodies: a retrospective cohort study
著者:Eri Wada1, Takeshi Onoue1, Tamaki Kinoshita1, Ayaka Hayase1, Tomoko Handa1, Masaaki Ito1, Mariko Furukawa1, Takayuki Okuji1, Tomoko Kobayashi1, Shintaro Iwama1, Mariko Sugiyama1, Hiroshi Takagi1, Daisuke Hagiwara1, Hidetaka Suga1, Ryoichi Banno2, Motomitsu Goto1, and Hiroshi Arima1
所属:1Department of Endocrinology and Diabetes, 黑料网 Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
2Research Center of Health, Physical Fitness and Sports, 黑料网, Nagoya, Japan
顿翱滨:丑迟迟辫蝉://诲虫.诲辞颈.辞谤驳/10.1007/蝉00125-021-05516-1
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