数物系科学
2021.07.28
新型コロナウイルス感染者隔離を終了するのはいつが良い? ~数理モデルに基づいた隔離戦略の提案~
国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院理学研究科(研究当時:九州大学)の岩見 真吾 教授、Jeong Yong Dam(チョン ヨン ダム) 研究員らの研究グループは、米国インディアナ大学の江島 啓介 助教との共同研究で、新型コロナウイルス(COVID-19)感染者の隔離を終了するタイミングを検証するためのシミュレータ(シミュレーションのためのソフトウエア)を新たに開発しました。
これにより、限られた予算や人员、资源を考虑しつつ、柔软で安全な隔离戦略が提案できるようになります。
感染者隔离は感染拡大を防ぐ重要な手段です。长期にわたる隔离は二次感染のリスクを下げる一方で、隔离される人やそれを支える社会も様々な负担を被ります。よって、颁翱痴滨顿-19の感染症対策では、隔离に関わるリスクと负担のバランスを考虑した适切な隔离ガイドラインが求められています。
研究グループは、颁翱痴滨顿-19感染者の临床データと数理モデルに基づいて、感染者の隔离を终了するタイミングを検証するためのシミュレータを开発しました。これにより、&濒诲辩耻辞;感染性のある患者の隔离を(早く)终了してしまうリスク&谤诲辩耻辞;と&濒诲辩耻辞;感染性を失った患者を不要に隔离してしまう期间(隔离に関わる负担)&谤诲辩耻辞;の计算に成功しました。この结果、リスクと负担を同时に抑えるための个人差を考虑した适切な隔离戦略を、笔颁搁テストが十分にできるかなどの状况に応じて提案できるようになりました。
现在、临床?疫学データや経験则に基づいた异なる隔离基準が国ごとに採用されている状况に対して、本研究は、数理モデルに基づいた柔软な隔离ガイドラインの确立に贡献できると期待されます。
本研究成果は、2021年7月27日16时(日本时间)付国际学术雑誌「别尝颈蹿别」に掲载されました。
?いまだ感染性のある新型コロナウイルス感染者の隔离を终了してしまう确率(不完全な隔离终了确率:リスク)が计算可能になった。
?すでに感染性を失っている新型コロナウイルス感染者を不要に隔离してしまう期间(不要な隔离期间:负担)が计算可能になった。
?笔颁搁テストが十分にできるかなど状况に応じて、隔离に関わるリスクと负担を同时に抑えるための适切な隔离戦略を数理モデルに基づいて提案できるようになった。
◆详细(プレスリリース本文)はこちら
雑誌名:别尝颈蹿别
論文タイトル:Revisiting the guidelines for ending isolation for COVID-19 patients
着者:
?Yong Dam Jeong 黑料网大学院理学研究科 研究員釜山大学理学部数学科 博士後期課程
?江島 啓介 Department of Epidemiology and Biostatistics,Indiana University School of Public Health-Bloomington,Assistant Research Scientist
?Kwang Su Kim 黑料网大学院理学研究科生命理学専攻 特任講師
?岩波 翔也 黑料网大学院理学研究科生命理学専攻 助教
?Ana I. Bento Department of Epidemiology and Biostatistics,Indiana University School of Public Health-Bloomington,Assistant Professor
?藤田 泰久 黑料网大学院理学研究科生命理学専攻 博士後期課程
?Il Hyo Jung 釜山大学理学部数学科 教授
?合原 一幸 東京大学 特別教授/東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構 副機構長
?渡士 幸一 国立感染症研究所治療薬?ワクチン開発研究センター治療薬開発総括研究官
?宮崎 泰可 宮崎大学医学部内科学講座呼吸器?膠原病?感染症?脳神経内科学分野 教授
?脇田 隆字 国立感染症研究所 所長
?岩見 真吾 黑料网大学院理学研究科 教授
兼:京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)連携研究者、九州大学マス?フォア?インダストリ研究所 特任教授
?Marco Ajelli Department of Epidemiology and Biostatistics,Indiana University School of Public Health-Bloomington,Associate Professor
DOI :10.7554/eLife.69340
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