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数物系科学

2021.08.25

础滨を用いた新薬の开発に役立つ物理学とベイズ统计に基づいた新理论の提案

国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院情报学研究科の高橋 智栄 博士後期課程学生、時田 恵一郎 教授、黑料网大学院工学研究科の千見寺 浄慈 助教は、タンパク質を効率的に設計できる新たな理論的手法を提案しました。

タンパク质は、生物の体の中で固有の复雑な立体构造を形成することで机能を発现しています。その立体构造の情报をもとに、アミノ酸配列を予测することで必要な机能を持つタンパク质を设计することを「タンパク质デザイン」と言います。「タンパク质デザイン」は创薬分野への応用が期待されている非常に重要な研究で、実用化に成功すれば安価で迅速な医薬品开発が実现するため、世界的に注目されています。

「タンパク质デザイン」は、本来は配列と构造の両方を同时に最适化せねばならず计算量的に非常に难しい问题であるため、物理学に基づいた理论的な研究は近年ほとんど进展していませんでした。また、最近ではそのような二重の最适化をすることなく现実的なタンパク质のデザインを一定の精度で実行する计算ソフトが开発されていますが、その理论的な里付けに関する研究もほとんど进んでいません。

本研究では、この二つの方策のギャップを物理学とベイズ统计に基づく机械学习であるベイズ学习注1)の方法によって埋め、「なぜタンパク质はうまくデザインできるのか?」という疑问に答えることで、さらなる応用のための基础となるような理论を提案することに成功しました。

本研究で得られた成果は、実際のタンパク質デザインで使われている計算ソフトの理論的基礎を明らかにし、より有効な手法の実現への足掛かりとなることが期待されます。また、より現実に近いタンパク質への理論の拡張も容易です。さらに、近年、分子生物学や細胞生物学の分野で注目されている相分離生物学の研究成果を、物理学及び情报学的に裏付ける理論の一つとみなすことも可能です。

本研究成果は、2021年7月8日付アメリカ物理学会が刊行する雑誌『Physical Review E』に掲載されました。
 

【ポイント】

?タンパク质デザインはアミノ酸配列と立体构造の両方の最适化を行う必要があるため膨大な计算量を要する。

?アミノ酸配列に関する新しい仮説を提案し、それをベイズ学习における事前分布注2)に反映させることで、立体构造部分の最适化を省略する新しいデザイン手法を考案した。

?结果的に、现在タンパク质デザインの分野で広く用いられている计算ソフトの手法を统计力学的に再现する理论を作ることができた。

 

&苍产蝉辫;◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

注1) ベイズ学習:

ベイズ统计に基づいたシンプルかつ効率的な机械学习手法。ベイズ统计学は、古典的な频度论主义の统计学と异なり、统计モデルのパラメータ(母数)までも何らかの确率分布(事前分布)に従うとする。そして、観测されたデータを固定した上で、パラメータのデータによる条件付き确率(事后分布)を求め、事后分布をもとに推定や予测を行う。マルコフ连锁モンテカルロ法というコンピュータによる効率的なサンプリング手法の発达により、事后分布からの推定や予测は容易になり、ベイズ学习はその実用性を格段に増している。

注2)事前分布:

统计モデルのパラメータが従うとする确率分布のこと。データを観察して比较的客観的に仮定できる统计モデル(尤度関数)に対し、データが観测される以前に利用可能な情报をもとに仮定する必要がある。ドメイン知识からの知见やそれに基づく分析者の直観、あるいは事后分布の计算のしやすさなどから决定する场合が多い。あるいは考えている状况や経験事実から明らかな场合などもある。

 

【论文情报】

雑誌名:Physical Review E

論文タイトル:Lattice protein design using Bayesian learning

著者:Tomoei Takahashi、 George Chikenji、 and Kei Tokita

顿翱滨:10.1103/笔丑测蝉搁别惫贰.1-4.014404

鲍搁尝:

 

【研究代表者】