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复合领域

2022.04.21

群れをなし,働き始めた分子ロボット ~実働するマイクロサイズの分子ロボットを世界に先駆けて開発することに成功~

国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院工学研究科の浅沼 浩之 教授,北海道大学大学院理学研究院のモウシュミ?アクタ 博士研究員,角五 彰 准教授及び佐田 和己 教授,九州大学大学院芸術工学研究院の井上 大介 助教,関西大学化学生命工学部の葛谷 明紀 教授らの研究グループは,生き物の生存戦略の一つでもある「群れ」の利点を取り入れた実働するマイクロサイズの分子ロボットを世界に先駆けて開発することに成功しました。
近年,「群ロボット*1」という群れの様々な机能に着目した研究が注目を集めてきました。ロボットを群れとして利用することで,作业の分担やリスク対応,また环境に适したフォーメーションが可能となるなど,単体のロボットにはない机能を持たせることができます。医疗や灾害现场での応用が期待されており,これまでに数多くのロボットが开発?提案されてきました。近年の技术进歩により,ロボットはマイクロスケールやナノスケールまで小型化されましたが,サイズの小ささゆえ,これらのロボットを実働させるには至っていませんでした。
本研究では,群れの形成解離を遠隔で操作する分子機構を導入することで,分子ロボットによる物質輸送という実効的な仕事の遂行に成功しました。分子ロボットは直径25ナノメートル,全長は5マイクロメートル(髪の毛の20分の1)程度のサイズで,駆動系としてモータータンパク质*2制御系として顿狈础分子コンピュータを持ち,光を感知するフォトクロミック色素を组み込むことで,远隔操作を可能にする受信部としての役割を果たしています。群れを利用した分子ロボットが,単体では実现し得なかった数十マイクロメートルサイズという大きな物质を输送できるようになりました。分子ロボット単体と比べると约5倍の输送効率の向上,积荷サイズは10倍にも拡大されています。さらに积荷の输送先は光(紫外光)を照射するだけで任意に指定することも可能としました。
将来は,医疗现场や环境保全などで活跃するマイクロナノマシンとしての応用が期待されます。
本研究成果は,日本時間2022年4月21日(木)午前4時公開のScience Robotics誌に掲載されました。

 

【ポイント】

?分子ロボットに群れという协働作业戦略を取り入れることで物质输送という実効的な仕事を达成。
?群れを利用することで分子ロボット単体と比べ输送効率は最大5倍,积荷サイズを10倍に拡大。
?薬剤の运搬や选択,汚染物质の回収など様々な现场で活跃するロボットとして期待。
 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

*1 群ロボット … 多くの単純なロボットから構成されるロボットシステム。ロボット間で相互作用しながら群れとして行動することで,単体のロボットにはできない複雑な仕事を効率よくこなすことができる。鳥や魚,昆虫などの群れが群ロボット開発のヒントになっている。
*2 モータータンパク质 … アデノシン三リン酸(ATP)の加水分解によって生じる化学エネルギーを運動に変換するタンパク質。生物のほとんどすべての細胞に存在しており,物質の輸送や細胞分裂に関わっている。アクチン上を動くミオシン,微小管上を動くキネシンやダイニンが知られている。本研究では微小管とキネシンを使用した。

 

【论文情报】

論文名 Cooperative cargo transportation by a swarm of molecular machines(分子機械の群れによる協働的な物質輸送)
著者名 Mousumi Akter1,Jakia Jannat Keya1,Kentaro Kayano2,Arif Md. Rashedul Kabir1, Daisuke Inoue3, Henry Hess4, Kazuki Sada1,2, Akinori Kuzuya5, Hiroyuki Asanuma6, *Akira Kakugo1,21 北海道大学大学院理学研究院,2北海道大学大学院総合化学院,3九州大学芸术工学研究院,4コロンビア大学医用生体工学部,5関西大学 化学生命工学部,6黑料网大学院工学研究科)
雑誌名 Science Robotics
顿翱滨 10.1126/蝉肠颈谤辞产辞迟颈肠蝉.补产尘0677
U R L 
公表日 日本时间2022年4月21日(木)午前4时(米国东部时间2022年4月20日(水)午后2时)(オンライン公开)

 

【研究代表者】