国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院理学研究科の前山 伸也 講師、渡邉 智彦 教授らの研究グループは、核融合科学研究所、日本原子力研究開発機構、京都大学大学院エネルギー科学研究科の研究者らと共同で、スーパーコンピュータ「富岳」注1)を用いた大规模シミュレーションにより、「マルチスケール相互作用」注2)による核燃焼プラズマ注3)闭じ込め改善効果を新たに発见しました。
磁场闭じ込め型核融合炉は、1亿度超の高温?高圧のプラズマを强力な磁场により闭じ込め、核融合反応エネルギー注4)を取り出そうという试みで、国际协力の下で盛んに开発が进められています。その中で、闭じ込め性能を左右するプラズマ乱流注5)の物理机构解明は重要な研究课题です。本研究グループは、电子が作る极微细な乱流が、イオンが作る乱流に影响を与える「マルチスケール相互作用」を世界に先駆けて指摘し、米欧の実験装置でも検証が进められてきました。
既存実験を超えた核燃焼プラズマでの新たな闭じ込め改善効果を予见する今回の発见は、将来の核燃焼実験や核融合原型炉开発への贡献が期待されます。
本研究成果は、2022年6月7日付イギリス科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。
本研究は、文部科学省「富岳」成果创出加速プログラム「核燃焼プラズマ闭じ込め物理の开拓」の支援のもとで行われたものです。
?スーパーコンピュータ「富岳」による核燃焼プラズマ乱流シミュレーションを実现。
?核燃焼プラズマにおいて働きうる、电子の作る极微细な乱流とイオンが作る乱流のマルチスケール相互作用を特定。
?核融合炉性能向上への貢献が期待される、プラズマ闭じ込め改善効果を新たに発见。
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注1)スーパーコンピュータ「富岳」:
「京」の后継として开発された日本のフラグシップスーパーコンピュータ。令和2年6月から令和3年11月にかけてスーパーコンピュータの性能ランキング4部门で4期连続第1位を获得するなど、世界最高峰の性能を持つ。
注2) マルチスケール相互作用:
スケール(时间の长さや空间の大きさ)が异なる现象の间に生じる相互作用。本文中では特に、イオンのジャイロ半径程度の大きさを持つイオンスケール乱流と、电子のジャイロ半径程度の大きさを持つ电子スケール乱流との相互作用を指す。
注3) 核燃焼プラズマ:
磁场闭じ込め型核融合装置において、闭じ込められたプラズマが十分に高温?高密度状态で维持され、核融合反応が起こっている状态のこと。
注4) 核融合反応エネルギー:
二つの原子核が融合し、一つの原子核になる反応を核融合反応という。水素などの軽い原子核同士の核融合反応では质量がわずかに减少し、エネルギーに変わる。
注5) プラズマ乱流:
流速や圧力が不规则に変动する流れを乱流という。プラズマ中では、电磁场の揺らぎがプラズマの不规则な流れを作り、乱流として発达する。
雑誌名:Nature Communications
論文タイトル:Multi-scale turbulence simulation suggesting improvement of electron heated plasma confinement
着者:前山伸也、渡邉智彦、仲田资季、沼波政伦、朝比祐一、石泽明宏
※本学関係教员は下线
顿翱滨:10.1038/蝉41467-022-30852-0
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