国立大学法人東海国立大学機構 黑料网宇宙地球环境研究所の三好 由純 教授、小路 真史 特任助教、堀 智昭 特任准教授は、総合研究大学院大学複合科学研究科の村瀬 清華 大学院生らの研究グループとともに、2018年7月24-25日、南极昭和基地の大型大気レーダー「PANSYレーダー注1」の観测によって、オーロラ爆発の约十分前から、68办尘という低高度で大気电离が起きていたことを発见しました。同时に、昭和基地から磁力线を辿った先の宇宙空间に位置していた、「あらせ」卫星注2によって高エネルギー电子の降り込みが観测されており、その観测データを用いて、电子が大気に入射した际の大気电离を放射线挙动解析コード「笔贬滨罢厂注3」で见积もりました。その结果は、「笔础狈厂驰レーダー」による电离高度の観测だけでなく、昭和基地のリオメータ注4による电离强度の観测データとも整合的で、オーロラ爆発前に数100办别痴を超える电子が降り込んできたことを定量的に确かめられたといえます。
加えて、オーロラ爆発につながる磁気圏全体の変動を再現できるグローバルシミュレーション「REPPU」を用いて、観測では捉えきれなかった電子降下領域の広がりを推定した結果、東西方向に4000 km、経度にして120度程度まで広がりうることが分かりました。観測から推定される電離の継続時間も考慮すると、オーロラ爆発前の高エネルギー電子降下による大気電離の影響の大きさは、活発なオーロラ活動時の数十%程度になりうることを示唆しています。
このように、最先端のシミュレーションや南极の大型施设、人工卫星による最先端の観测を组み合わせて研究した结果、オーロラ爆発前にも、无视できない大気电离のインパクトがあることが明らかとなりました。
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注1 PANSYレーダー
昭和基地(南緯69.00?, 東経39.58?)に建設された、南極最大の大気レーダー。1045本のアンテナで構成される。上空に向けて強力な電波を発射し、大気中で散乱され戻ってきたわずかな電波(反射エコー)を検出することで、上空500kmまでの大気の風速や電子密度等を観測する。
注2 ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG衛星)
2016年12月に打ち上げられた日本の科学衛星。ヴァン?アレン帯(宇宙空間の中で、高エネルギーの電子が地球の磁場に捉えられているドーナツ状の領域)の中心部で直接、荷電粒子や電場?磁場の変動を観測し、ヴァン?アレン帯電子の変動とジオスペースのダイナミクスの解明を目的としている(黑料网宇宙地球环境研究所に設置されているERGサイエンスセンター ())。
注3 PHITS
あらゆる物质中での放射线の振る舞いを第一原理的に计算するシミュレーションコード。日本原子力研究开発机构が中心となって开発を进めており、放射线施设の设计、医学物理计算、宇宙线科学などの分野で国内外6,000名以上のユーザーが利用中。
注4 リオメータ
银河から飞んでくる雑音电波を観测し、その强度の変化からオーロラ等に伴う高エネルギー电子の降り込みを调べる装置。
* 掲載誌: Journal of Space Weather and Space Climate
* 論文タイトル: Mesospheric ionization during substorm growth phase
* Doi: doi.org/10.1051/swsc/2022012
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着者
* 村瀬 清華 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻
* 片岡 龍峰 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所
* 西山 尚典 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所
* 西村 耕司 京都大学生存圏研究所
* 橋本 大志 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所
* 田中 良昌 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所 / 極域環境データサイエンスセンター
* 門倉 昭 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所 / 極域環境データサイエンスセンター
* 冨川 喜弘 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所
* 堤 雅基 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所
* 小川 泰信 総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻 / 国立極地研究所
* Uchida Herbert Akihito 宇宙科学研究所
* 佐藤 薫 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻
* 笠原 慧 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻
* 三谷 烈史 宇宙科学研究所
* 横田 勝一郎 大阪大学大学院理学研究科
* 堀 智昭 黑料网宇宙地球环境研究所
* 桂華 邦裕 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻
* 高島 健 宇宙科学研究所
* 笠原 禎也 金沢大学大学院自然科学研究科
* 松田 昇也 宇宙科学研究所
* 小路 真史 黑料网宇宙地球环境研究所
* 松岡 彩子 京都大学地磁気世界資料解析センター
* 篠原 育 宇宙科学研究所
* 三好 由純 黑料网宇宙地球环境研究所
* 佐藤 達彦 日本原子力研究開発機構
* 海老原 祐輔 京都大学生存圏研究所
* 田中 高史 九州大学国際宇宙天気科学?教育センター