国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院理学研究科の三石 郁之 講師が参加する、国際共同プロジェクトのX線偏光観測衛星「IXPE(Imaging X-ray Polarimetry Explorer)」によるブラックホール连星「はくちょう座齿-1」の観測結果が、2022年11月4日付学術雑誌「Science」オンライン版に掲載されました。
滨齿笔贰は2021年12月9日に打ち上げられた世界初の齿线偏光撮像卫星であり、本研究グループは、银河系内のブラックホールと恒星の连星系の観测から、ブラックホール近傍から放射される齿线がわずかに偏光していることを発见し、ブラックホール近傍にある高温のプラズマ(コロナ)の位置と形状を明らかにしました。ブラックホール连星系のブラックホールの周辺には、恒星からの物質がブラックホールの強い重力に引かれてできる渦巻き状の高温の「円盤」と、円盤よりも高温の「コロナ」と呼ばれるプラズマが存在します。今回、共同研究グループは、ブラックホール连星系はくちょう座齿-1を観測したところ、X線の振動方向がブラックホールから放出される「ジェット」と呼ばれるプラズマ噴出流の方向にわずかに偏っている(偏光している)ことが分かりました。このX線の偏りとその強さから、コロナはジェットの方向には存在せず、円盤の両面を覆っているか、もしくは円盤の内縁とブラックホールとの間に位置していると考えられます。このようなブラックホール近傍の物質の位置関係は、従来のX線望遠鏡では遠すぎて分解できず、偏光を観測することで初めて明らかになりました。本研究成果は、ブラックホール近傍における強重力場下の物理の検証や、ブラックホールの自転速度の測定につながると期待できます。
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なお、本国际共同プロジェクトは米国とイタリアが主导で行っており、日本からは、本学以外に理化学研究所、広岛大学、山形大学、大阪大学、中央大学が参加しています。
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雑誌名: Science
論文タイトル: Polarized x-rays constrain the disk-jet geometry in the black hole x-ray binary Cygnus X-1
著者: Henric Krawczynski他
DOI: 10.1126/science.add5399
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