国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院生命农学研究科のオウク?ラチャナ博士、大井 崇生 助教、杉浦 大輔 講師、谷口 光隆 教授による研究グループは、試料を一定間隔で切断して観察する連続切片法を用いて、イネの葉身の内部構造を三次元再構築して可視化し、3Dデータ解析を行うことで、光合成能力に深く関わる“細胞間隙に面する叶肉细胞や叶緑体の表面積”を精確に算出することに成功しました。
植物の光合成におけるガス交換能力を左右する一因に、葉組織内で空気の流れる細胞間隙に面した葉肉細胞や叶緑体の表面積の大きさが挙げられますが、その測定には、組織を薄く切断して撮影した二次元の平面像から推定する手法が用いられてきました。しかし、イネの葉組織は、維管束に対して横断方向では、海綿状に複雑にくびれた葉肉細胞の断面が見られ、縦断方向では、柵状に整列した葉肉細胞の断面が見られる特徴があり、どちらの断面を用いて、どのように表面積を推定すべきか、これまで明確な指標はありませんでした。
本研究では、イネの葉身の内部構造を連続切片-光学顕微鏡法で叁次元再构筑し、葉肉細胞や叶緑体の体積、細胞間隙に面する表面積を直接計測するとともに、得られた3Dデータから葉組織の横断面や縦断面を作成し、従来法による推定値と比較して実測値との差が小さくなる条件を明らかにしました。これにより、迅速な推定方法の精度が向上し、作物の光合成能力を高める研究に役立つと期待されます。
本研究成果は、2022年12月22日付国際学術雑誌「Annals of Botany」に掲載されました。
?主要作物であるイネの叶内组织构造を连続切片-光学顕微镜法注1)で叁次元再构筑注2)することにより、叶緑体注3)が识别できる精度の3顿観察を可能にした。
?取得した空间データを解析し、光合成のガス交换効率に関わる细胞间隙注4)に面する叶肉细胞注5)や叶緑体の表面積を実測することに成功した。
?空间データから横断?縦断の断面像を抽出し、二次元断面から各种表面积を算出する従来法の推定値と3顿実测値を比较し、イネにおける适切な条件を提唱した。
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注1)连続切片-光学顕微镜法:
试料を一定间隔で薄く切り、スライドガラス上に连続して并べた切片を顺々に光学顕微镜で撮影する手法。连続画像を切削した厚さで积み上げて叁次元再构筑できる。
注2)叁次元再构筑:
连続した断面像として撮影された二次元の平面像から叁次元の立体像を得る手法。
注3)叶緑体:
植物细胞にある细胞内小器官(オルガネラ)の1つで、光エネルギーを吸収する色素を蓄えた层状の膜构造を含み、二酸化炭素と水から糖と酸素を合成する光合成を行う。
注4)细胞间隙:
细胞と细胞の间に生じた空隙。陆上植物の叶内では、気孔を介して外気と繋がっており、光合成で消费される二酸化炭素や排出される酸素などの通り道となっている。
注5)叶肉细胞:
葉における柔組織を構成する細胞で、叶緑体を多く含み光合成の主要な場となる。
雑誌名: Annals of Botany
論文題目:3-D reconstruction of rice leaf tissue for proper estimation of surface area of mesophyll cells and chloroplasts facing intercellular airspaces from 2-D section images
著者:Rachana Ouk, Takao Oi, Daisuke Sugiura, Mitsutaka Taniguchi (本学教员)
顿翱滨:10.1093/补辞产/尘肠补肠133
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