工学
2023.02.27
深宇宙探査用デトネーションエンジンの宇宙飛行実証論文を公開 ~本論文は、米国航空宇宙学会の圧力増大燃焼論文賞を受赏~
国立大学法人東海国立大学機構 黑料网未来材料?システム研究所の笠原 次郎教授らの研究グループは、宇宙航空研究開発機構、慶應義塾大学、室蘭工業大学との共同研究で、2021年7月27日に観测ロケットS-520-31号機の第2段を用いてデトネーションエンジンの宇宙飛行実証試験を実施しました。その後、飛行データの解析を実施し、メタンー酸素の推進剤が182±11 g/s で供給され、回転デトネーションエンジン注2)の推力は518 N、比推力は290 ± 18 sec 、回転トルクは0.26 N?mであったこと、また、圧力履歴等からエンジン作動は安定であったことが確認され、結果を論文として公開しました。2023年1月26日に、その研究論文は、米国航空宇宙学会(AIAA)のPressure Gain Combustion Best Paper Award (圧力増大燃焼論文賞)2022を受赏しました。
本论文の成果によって、デトネーションエンジンは、深宇宙探査用キックモーター、ロケットの初段?2段エンジン等としての実用化に大きく近づくことになりました。
本研究成果は、
?口头発表论文 (丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.2514/6.2022-0232)
?査読付き论文1(丑迟迟辫蝉://补谤肠.补颈补补.辞谤驳/诲辞颈/10.2514/1.础35401)
?査読付き论文2(丑迟迟辫蝉://补谤肠.补颈补补.辞谤驳/诲辞颈/10.2514/1.础35394)
にて公开されています。
?黑料网は、宇宙航空研究開発機構、慶應義塾大学、室蘭工業大学と共同で、2021年7月27日に観测ロケットS-520-31号機の第2段を用いてデトネーション注1)エンジンの宇宙飞行実証を実施した。
?飞行データの解析を実施し、エンジン作动は安定であったことを确认し、结果を论文にて公开した。
?公開した研究論文が、米国航空宇宙学会(AIAA)のPressure Gain Combustion Best Paper Award (圧力増大燃焼論文賞)2022を受赏した。
?デトネーションエンジンが、深宇宙探査用キックモーター、ロケットの初段?2段エンジン等としての実用化に大きく近づいた。
◆详细(プレスリリース本文)はこちら
注1)デトネーション:
衝撃波にともなって、化学反応による熱開放が行われる燃焼現象。その伝播速度は、2 km/sにもなるため、可燃性のガスを高速で燃焼させることが可能。
注2)回転デトネーションエンジン:
デトネーションを连続的に伝播させることで、连続的な推力を得ることができるエンジン。これまで2重円筒形状の燃焼器の底部でデトネーションを円筒の周方向に伝播させるものが多く研究されてきた。推进剤は、轴方向に喷射され、その反対方向に推力を得ることができる。
[1]雑誌名:AIAA SCITECH 2022 Forum Conference Paper【受赏論文】
論文タイトル:Flight Demonstration of Detonation Engine System Using Sounding Rocket S-520-31: Performance of Rotating Detonation Engine
著者:K. Goto, K. Matsuoka, K. Matsuyama, A. Kawasaki, H. Watanabe, N. Itouyama, K. Ishihara, V. Buyakofu, T. Noda, J. Kasahara (Nagoya Univ.), A. Matsuo(Keio Univ.), I. Funaki (JAXA), D. Nakata, M. Uchiumi (Muroran Inst. Tech.), H. Habu, S. Takeuchi, S. Arakawa, J. Masuda, K. Maehara, T. Nakao, K. Yamada (JAXA)
DOI: https://doi.org/10.2514/6.2022-0232
[2]雑誌名:Journal of Spacecraft and Rocket【ジャーナル論文1】
論文タイトル:Flight Demonstration of Rotating Detonation Engine Using Sounding Rocket S-520-31
著者:K. Goto, K. Matsuoka, K. Matsuyama, A. Kawasaki, H. Watanabe, N. Itouyama, K. Ishihara, V. Buyakofu, T. Noda, J. Kasahara (Nagoya Univ.), A. Matsuo(Keio Univ.), I. Funaki (JAXA), D. Nakata, M. Uchiumi (Muroran Inst. Tech.), H. Habu, S. Takeuchi, S. Arakawa, J. Masuda, K. Maehara, T. Nakao, K. Yamada (JAXA)
DOI: https://arc.aiaa.org/doi/10.2514/1.A35401
[3]雑誌名:Journal of Spacecraft and Rocket【ジャーナル論文2】
論文タイトル:Flight Demonstration of Pulse Detonation Engine Using Sounding Rocket S-520-31 in Space
著者:V. Buyakofu, K. Matsuoka, K. Matsuyama, A. Kawasaki, H. Watanabe, N. Itouyama, K. Goto, K. Ishihara, T. Noda, J. Kasahara (Nagoya Univ.), A. Matsuo(Keio Univ.), I. Funaki (JAXA), D Nakata, M. Uchiumi (Muroran Inst. Tech.), H. Habu, S. Takeuchi, S. Arakawa, J. Masuda, K. Maehara, T. Nakao, K. Yamada (JAXA)
DOI: https://arc.aiaa.org/doi/10.2514/1.A35394