国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院创薬科学研究科の増井 悠 助教、神田 瀬奈 博士前期課程学生、布施 新一郎 教授らの研究グループは、医薬品候补として重要なインドール诱导体の超高速かつ简便な合成法の开発に成功しました。インドールは医薬品に最も多く含まれる构造の一つです。また、创薬の现场で最も多く使用される反応は、ヘテロ原子注2)のアルキル化反応注3)であることが报告されており、この反応をインドール环に隣接する炭素上で进行させれば、多様なインドール诱导体を自在に合成できると期待されます。しかしながら、竞合する副反応が极めて速く进行することが问题となっていました。本研究では、微小な流路を反応场とするマイクロフロー合成法注4)を駆使し、反応の过程で生じる不安定な中间体の存在时间をわずか0.1秒程度に制御することで、副反応を抑制しつつ目的物を高収率で得ることに成功しました。なお、本反応は、フラスコを用いて行うと全く目的物は得られませんでした。
开発した手法は様々なインドール诱导体の合成に利用可能であるため、医薬品候补化合物の创出、および医薬品生产の効率化が期待されます。
本研究成果は、2023年3月4日付Springer Nature社の国際的学術雑誌「Communications Chemistry」に掲載されました。
?医薬品候补として重要なインドール诱导体注1)の迅速、かつ简便な合成法を开発。
?不安定な中间体に由来する副反応をマイクロフロー合成法により抑制。
?安価な反応剤を用い、短时间(120ミリ秒)でのインドール诱导体の合成を达成。
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注1)インドール诱导体:
本原稿中ではインドール环を构造中に含む原料から诱导される、インドール环构造をもつ有机化合物のこと。
注2)ヘテロ原子:
窒素、酸素、硫黄原子などの、炭素と水素以外の原子のこと。
注3)ヘテロ原子のアルキル化反応:
炭素-炭素単结合を构成する炭素上でヘテロ原子が连结する反応のこと。
注4)マイクロフロー合成法:
微小な流路(通常内径1 mm以内)に溶液を流通させながら合成する手法。フラスコを用いる合成法と異なり、数ミリ秒で溶液を混合することが可能なため、短い反応時間を精密に制御できる。
雑誌名:Communications Chemistry
論文タイトル:Verification of preparations of (1H-indol-3-yl)methyl electrophiles and development of their microflow rapid generation and substitution
著者:Hisashi Masui,* Sena Kanda, Shinichiro Fuse*
DOI: 10.1038/s42004-023-00837-1
URL:
大学院创薬科学研究科 、