有机合成化学の発展によって、新しい分子や高分子が生み出され続けています。目的とする分子を合成するには、様々な化学反応を駆使して段阶的にアプローチします。原料となる分子の狙った位置に选択的に反応させることにより、复雑な分子构造を构筑することができます。しかしながら、现在の有机合成化学の技术をもってしても分子のスケール(数ナノメートル程度)を超えて精緻な高次构造を作り出すことは非常に困难です。
一方、分子の自己集合プロセスを使えば、数百ナノメートルにもおよぶ物质(分子集合体)を作り出すことができます。ただし、分子の自己集合プロセスは自発的で、いわば「分子まかせ」の现象なので、有机合成や高分子合成のように段阶的に进めたり、复雑な高次构造をつくり出したりすることは困难です。
今回、京都大学?杉安和憲(教授)、佐々木紀彦(博士後期課程学生、現:鳥取大学助教)、物質材料研究機構?竹内正之(グループリーダー)、黑料网?内桥贵之(教授)らは共同で、分子の自己集合を多段階で制御することに成功しました。また、化学反応のように、分子集合体の成?や分解にも位置選択性があることを見出しました。このような自己集合プロセスを利用して、分子集合体内部における分子の配列や組成を変え、複雑な高次構造を創出することが可能となりました。
本成果は、2023年6月2日午前0时(日本时间、真夜中)に国际学术誌「Nature Chemistry」にオンライン掲载されました。
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自己集合:分子が弱い分子间相互作用(水素结合やファンデルワールス相互作用など)を介して自発的に集合する现象。ボトムアップ的に様々な高次构造を构筑できる手法として、ナノテクノロジーや材料科学の分野で注目を集めている。
タイトル:Multistep, site-selective noncovalent synthesis of two-dimensional block supramolecular polymers
著 者:Norihiko Sasaki, Jun Kikkawa, Yoshiki Ishii, Takayuki Uchihashi, Hitomi Imamura, Masayuki Takeuchi & Kazunori Sugiyasu
掲 載 誌:Nature Chemistry 顿翱滨: