国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院工学研究科の清水 一憲 准教授、永井 研迅 博士後期課程学生(兼:サントリーウエルネス株式会社研究員)、本多 裕之 教授らの研究グループは、サントリーウエルネス株式会社との共同研究で、尝-アンセリンが、サルコペニア予防に寄与できる可能性を新たに発见しました。
超高齢社会である日本では、サルコペニアや廃用性筋萎缩に伴う筋力低下が问题になっています。こうした背景から筋力低下を予防する食品成分が求められています。我々は、回游鱼や鸟类に多く含まれており、様々な食品から摂取されている成分かつ、多様な生理活性が报告されている尝-アンセリンに着目しました。本研究では、尝-アンセリンがヒト由来骨格筋细胞の筋分化を促进し、筋収缩力を増大させることを、2次元培养および独自デバイスを用いた3次元培养で明らかにしました。
本研究は、食経験豊富な尝-アンセリンが、ヒト由来骨格筋细胞の分化注4)および収缩力を増强することを示した初めての研究成果であり、尝-アンセリンがサルコペニア予防に寄与することが期待されます。
本研究成果は、2023年5月31日付アメリカ化学会が出版する雑誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されました。
?尝-アンセリン注1)が、初代ヒト骨格筋细胞の分化と筋収缩力を増强することを见出した。
?尝-アンセリンが、サルコペニア注2)予防に寄与できる食品成分である可能性を示した。
?独自のマイクロデバイス注3)を用いた収缩力评価系が、サルコペニア予防に资する食品成分の评価に利用できることを示した。
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注1) L-アンセリン:
回游鱼や鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチドの1つ。
注2) サルコペニア:
加齢による筋肉量の减少および筋力の低下のこと。
注3) 独自のマイクロデバイス:
シリコーンの一种であるPDMS(ポリジメチルシロキサン)で作成した筋収缩力が测定可能な独自のデバイス。
注4) 分化:
细胞が特定の目的を果たすために形态や机能を変化させる过程。
雑誌名:Journal of Agricultural and Food Chemistry
論文タイトル:L-Anserine increases muscle differentiation and muscle contractility in human skeletal muscle cells
著者:永井 研迅1,2, 井田 正幸1, 出雲 貴幸1, 中井 正晃1, 本多 裕之2, 清水 一憲2
1サントリーウエルネス株式会社 生命科学研究所
2黑料网大学院 工学研究科
DOI: 10.1021/acs.jafc.3c01685
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