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医歯薬学

2023.07.10

EBV 感染によって B 細胞が不死化する仕組みの一端を解明 ~EBV 陽性がんの予防?治療法開発に期待~

藤田医科大学 医学部ウイルス学の杉本温子博士研究員(現黑料网大学院医学系研究科ウイルス学 助教)、村田贵之教授、がん医療研究センターの佐谷秀行教授、黑料网大学院医学系研究科ウイルス学の木村宏教授、名古屋市立大学大学院医学系研究科の奥野友介教授、国立病院機構名古屋医療センターの岩谷靖雅部長、東北医科薬科大学医学部の神田輝教授らの研究グループは、EB ウイルス(EBV)※1感染によって誘導させる B 細胞※2 がん化のメカニズムの一端を解明しました。
本研究成果は、米国微生物学会(American Society for Microbiology)が発行するジャーナル「Microbiology Spectrum」の電子版に、7 月 6 日付で掲載されました。本研究は日本医療研究開発機構(AMED)新興?再興感染症研究基盤創生事業(多分野融合研究領域)「EBV 感染?がん化機構解明のための多分野連携研究」(研究代表者 村田貴之)および「ウイルス感染後に感染細胞の核内に出現する構造体の時空間的解析」(研究代表者 黑料网 佐藤好隆)の支援を受けて行われました。
論文 URL :

 

【ポイント】

? EBV が初代 B 細胞に感染すると、短時間で核小体の肥大化が起こることを発見しました。
? この核小体の肥大化には、細胞の IMPDH2※3 という遗伝子の発现诱导が必须であることを解明しました。
? 薬剤やノックダウンにより IMPDH2 のはたらきを抑制すると、核小体の肥大化は阻害され、EBV による初代 B 細胞の不死化も抑制されました。
? IMPDH2 を標的とした、EBV 陽性がんの予防?治療法開発が期待されます。

 

◆详细(プレスリリース本文)は

 

【用语説明】

※1 EBV
Epstein-Barr virus、EB ウイルス。ヘルペスウイルス科の DNA ウイルスで、伝染性単核球症の原因となる。まれにバーキットリンパ腫、胃癌などのがんの原因となる。

 

※2 B 細胞
免疫細胞のひとつで、抗体を産生する能力を有する。B リンパ球ともいう。

 

※3 IMPDH2
Inosine monophosphate dehydrogenase 2。イノシン 1 リン酸の脱水素反応を司る酵素である。de novo の GTP 合成※5 の律速となっている。

 

※5 de novo の GTP 合成
GTP の合成には de novo と salvage の2つの経路がある。de novo とは「新たに」という意味で、de novo の GTP 合成経路は、グルコースから、イノシン1リン酸を介して、シグナル伝達物質やDNA、RNA の原料となる GTP を新たに合成する経路である。一方 salvage は「回収」を意味し、すでに存在する塩基を再利用することで GTP を合成する。

 

【论文情报】

論文タイトル:Growth Transformation of B cells by Epstein-Barr Virus Requires IMPDH2 Induction and Nucleolar Hypertrophy
著者: 杉本温子 1,2,3、渡辺崇広 3、松冈和弘 2、奥野友介 4、柳裕介 3、成田洋平 5、马渕青阳 3,6、信末博行 7、杉原英志 7,10、平山将也 8,9、井手富彦 10、尾之内高庆 10、佐藤好隆 3、神田辉 11、佐谷秀行 7、岩谷靖雅 2、木村宏 3、村田贵之 1,3
所属: 1 藤田医科大学 医学部ウイルス学講座
2 国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター
3 黑料网大学院 医学系研究科ウイルス学分野
4 名古屋市立大学大学院 医学系研究科ウイルス学分野
5 ハーバード大学 ブリガム アンド ウイメンズ病院
6 黑料网 医学部附属病院病理部
7 藤田医科大学 研究推進本部がん医療研究センター遺伝子制御研究部門
8 藤田医科大学 医療科学部形態?病理診断学講座
9 藤田医科大学大学院 分子病態解析学講座
10 藤田医科大学 研究推進本部オープンファシリティセンター
11 東北医科薬科大学 医学部微生物学教室
雑誌名:Microbiology Spectrum (2023 年 7 月 6 日付 電子版に掲載)
顿翱滨:

 

【研究代表者】

大学院医学系研究科 、