自然科学研究機構 生命創成探究センター (ExCELLS)/分子科学研究所 協奏分子システム研究センターの、南慎太朗特任研究員(当時)、古賀(巽)理恵特任研究員(現:大阪大学蛋白質研究所助教)、古賀信康教授(兼任)(現:大阪大学蛋白質研究所教授)は、理化学研究所 生命機能科学研究センターの小林直宏上級研究員、長島敏雄上級テクニカルスタッフ、黑料网大学院工学研究科の千见寺浄慈助教、大阪大学蛋白質研究所の杉木俊彦特任助教(現:北里大学薬学部准教授)、藤原敏道大阪大学名誉教授と共同で、自然が見出していない未踏の折り畳み可能なタンパク质αβ型トポロジー*1が、現在自然界で発見されているトポロジー約400個よりも遥かに多く、少なくとも約1万個存在していることを世界で初めて理論と実験両方を用いて明らかにしました。この研究結果は、地球上の生命は、偶然発見したタンパク质トポロジーを繰り返し利用していることを示唆しています。また、タンパク质分子はその立体構造に基づいて機能を発現することから、新规トポロジーを持つタンパク质分子をデザインすることで、医療や産業に貢献する新規機能性タンパク质の創出に繋がると期待されます。
本研究成果は、国際科学雑誌 「Nature Structural and Molecular Biology」 (2023年7月3日付) に掲載されました。
1. (本研究成果のハイライト)自然が見出していない折り畳み可能なタンパク质αβ型トポロジーの数を、世界で初めて理論と実験両方を用いて見積もった。
2. (本研究で得られた知見)「タンパク质分子が折り畳み可能なトポロジーを予測するルール」と「タンパク质分子をゼロからデザインする技術」を用いることで、現在自然界で発見されているαβ型トポロジー(400個)よりも、遥かに多くの新规トポロジー(少なくとも約1万個)が存在することを明らかにした。
3. (本研究の成果により期待される波及効果)新规トポロジーを持つタンパク质分子をデザインすることで、医療や産業に貢献する新規機能性タンパク质の創出に繋がることが期待される。
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*1 αβ型トポロジー
βシートとαヘリックスからなるαβ型タンパク质において、αヘリックスやβストランドの2次構造要素の配置とその連結方法を表したもの。図1参照。
雑誌名: Nature Structural and Molecular Biology
論文名: Exploration of novel αβ-protein folds through de novo design
著者: Shintaro Minami†, Naohiro Kobayashi†, Toshihiko Sugiki, Toshio Nagashima, Toshimichi Fujiwara, Rie Tatsumi-Koga, George Chikenji, Nobuyasu Koga* (†共同筆頭著者、*責任著者)
DOI: 10.1038/s41594-023-01029-0
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