国立大学法人東海国立大学機構 黑料网大学院工学研究科の山内 悠輔 卓越教授(JST-ERATO山内物質空間テクトニクスプロジェクト研究総括、クイーンズランド大学教授、及び早稲田大学客員上級研究員(研究院客員教授)兼任)、濱田 崇 特任准教授、早稲田大学の江口 美陽 准教授らは、クイーンズランド大学とニューサウスウェールズ大学との共同研究で、適切な基板選択と電気化学的ミセル集積法を用いて、常温下で準安定相型メソポーラス半导体(CuTe2)の薄膜の合成に成功しました。
従来の颁耻罢别2薄膜は、光伝导素子、可调光センサーおよび検出器などの光エレクトロニクス材料への応用が期待されていますが、热的安定性が课题であり、常温下でも安定な颁耻罢别2薄膜が望まれていました。
本研究グループは、常温下でも安定な準安定相型メソポーラス颁耻罢别2薄膜の合成には、基板素材の选択が重要であることを明らかにし、アルミニウム基板上で合成したメソポーラス型颁耻罢别2薄膜は、优れた结晶性と长期安定性を示すことを见出しました。この技術により1.67 eVのバンドギャップを有する準安定相型のメソポーラスCuTe2薄膜の合成が実现できることから、种々の照明条件下で优れた光応答を示すことになり、光伝导素子、可调光センサー、および検出器などへの応用が期待でき、光エレクトロニクス分野のさらなる発展が期待できます。
本研究成果は、2023年10月18日付アメリカ化学会誌「Journal of the American Chemical Society」に掲載されました。
【ポイント】
?电気化学的ミセル注1)集积法により、常温下で準安定相型注2)メソポーラス注3)半导体注4) (CuTe2)薄膜の合成に成功した。
?準安定相颁耻罢别2薄膜の合成に重要な基板素材として、アルミニウム基板を用いることで、优れた结晶性と长期安定性を示した。
?本研究成果は、加工が困难だったテルル化合物を光エレクトロニクス材料として活用する新たな手法を提案するものであり、光伝导素子、可调光センサー、検出器などの改良への贡献が期待される。
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注1)ミセル:
水になじむ亲水部と水になじまない疎水部を持つ両亲媒性分子が集まってできたコロイドのこと。
注2)準安定相型:
安定相よりもギブスの自由エネルギーが大きい状态のこと。
注3)メソポーラス:
メソ细孔を有する多孔体のこと。
注4)半导体:
电気伝导性が导体と絶縁体との中间の物质のこと。
雑誌名:Journal of the American Chemical Society
論文タイトル:Mesoporous Metastable CuTe2 Semiconductor
著者:Aditya Ashok, Arya Vasanth, Tomota Nagaura, Caitlin Setter, Jack Kay Clegg, Alexander Fink,
Mostafa Kamal Masud, Md Shahriar Hossain, Takashi Hamada, Miharu Eguchi, Hoang-Phuong Phan, and Yusuke Yamauchi ※下线は本学関係教员
DOI: 10.1021/jacs.3c05846
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