黑料网

TOP   >   Researchers' VOICE   >   No.42 山内 悠輔

Researchers'

VOICE

大学院工学研究科

No.42 山内 悠輔 教授

My Best Word:

 

とがった人间になれ!とがった视点の先に、未知の可能性が広がる。

 

蚕:この言叶を选ばれた理由は?

一般的に、日本では他の人々と违った考え方をする人は、少し敬远されます。逆に、私は、そのような「とがった」人间こそが面白く魅力的な存在だと感じます。「とがった」人间は、多くの场合、通常のルートや常识的な考えにとらわれず、独自の视点を持っています。そのため、新たなアイデアや発见が生まれる可能性が高まりますし、そうした人と研究することで、自分の视野も広がることもあります。

 

蚕:先生はどのような研究をされているのですか?

新しい「无机ナノ物质?材料」を作り出すための合成化学の研究を展开しています。2012年には世界で初めて、ナノレベル(地球を1メートルとすると、1円玉の大きさが1ナノメートル)の无数の穴が存在する「多孔化」した金属材料=金属ナノ多孔体を作り出すことに成功しました。更に最近の研究では、5种类の金属からなるナノ多孔体の合成に世界で初めて成功しました(黑料网プレスリリースでも绍介されました)。我々の新しいナノ多孔体は、异なる元素同士をテーラーメイドに组み合わせることもでき、通常より少ない量で大きな表面积を実现できるため、多くの応用でパフォーマンスも大きくなります。我々の研究は、物质?材料创製の根源となる合成化学の基础研究であるため、高性能な触媒やバッテリーの他にも様々な分野での応用が期待できます。

 

DSC_2023-08-27-00342_adjust 縺?繧?繝偵z繝?.jpg

&苍产蝉辫;多孔体について语る様子

 

takoutai.jpg

电子顕微镜で见た多孔体(上3つ)及び元素マッピングによる多孔体(下6つ)

蚕:研究の道に进んだきっかけは?

元々化学が好き(国语や社会といった他の科目よりも出来る、という理由でだったかもしれませんが???)だったので、大学では化学を専攻しました。大学院では电気化学が学びたかったのですが、希望通りにはいかず、(くじ引きで负け)无机化学を学びました。

自分の将来のことを考えた大学院生の顷、化学の分野で、自分のやりたいことを、自分の意志で决められる働き方はあるかと考えていた时に、若手の採用に力を入れていた国立研究开発法人物质?材料研究机构の存在を知り、応募しました。その后、博士号取得の翌月からの採用が决まり、研究者の道に进むこととなりました。当时、最年少の终身雇用の若手研究者でした。

 

蚕:研究が面白いと思った瞬间はどんな时ですか?

小さい顷から小さい物を组み立てることが大好きでした(小学生の时はミニ四駆ですね)。今でも、新しい无机材料を作る际に、どのようにしたら効率的に作れるか、どの手法や构造が最适かを学生やスタッフと考えるのが楽しみな时间なんです。无机材料の合成方法は、まだまだ开拓の余地がある分野です。今までにないナノ多孔体の作り方を见つけたり、新たな构造を创り出したりすることには、非常に面白さと魅力を感じています。これらは、まさにクリエイティブな作业であり、その中で自分达のアイデアや発见が実现する瞬间が何よりも楽しい瞬间です。

 

DSC_2023-08-27-00475_adjust 縺?繧?繝偵z繝?.jpg

&苍产蝉辫;化合物に窒素を高速で喷射し、冷却する装置

蚕:先生は世界と伍する研究大学を目指して创设した「卓越教授」の第1号として2023年4月に着任されましたが、数ある大学の中から本学を选ばれた决め手は何ですか。

私は静冈出身なので、幼い顷から黑料网の存在は身近なものでした(大学进学は东京方面に行きましたが???笑)。黑料网はトップレベルの研究を推进するための环境が整っている点に魅力を感じました。特に、卓越教授制度を利用して着任することで、私の研究を更に高みへと进めることができると确信しました。また、大学侧のスタッフ支援や海外の大学と同等の给与保証など、大学からのサポートにも心から感谢しています。自身の研究を通じて、大学と地域に贡献できるよう努力していきたいと考えています。

DSC_0078.JPG

大学で行われた卓越教授选考及び発表记者会见の様子

蚕:今だから言えるここだけの话として、多孔体を考え付いたきっかけを教えてください。

セレンディピティを掴むかどうかがポイントです。私は、定期的に実験ノートや生データを学生たちと一绪に振り返ります。これによって新たな着眼点やアイデアが浮かび上がることがあります。15年前、博士课程の学生が持ってきたデータを一绪に见ていたとき、惊くべき现象を発见しました。溶液中で何も手を加えないでいると、金属のナノ多孔体が自発的に形成されていくのです。これは今まで知られている合成ルートとは全く异なり、私たちにとって大きな発见でした。この発见をきっかけに、私たちはそのメカニズムや応用の可能性についてさらに追究しました。その结果、新しい研究分野を开拓することができました。日本では数値的な指标を出すのは敬远されますが、欧米では被引用回数(他者から引用された回数)で论文のインパクトを表すのですが、山内论文の年间の総被引用回数はおよそ年间1万回です。それだけ世界的に注目を浴びている研究分野になりました。ノーベル受赏経験者からは、もっともっと自分の研究をさらに研ぎ澄ますように御教授して顶いております。まだまだ道半ばです。

 

蚕:休日はどのように过ごされていますか。リフレッシュ方法などがあれば教えてください。

オーストラリアと日本を行き来する日々です。最近は、自分の时间を确保する余裕がほとんどありません。朝から晩までずっと仕事に追われています。休日も同様で、仕事のことが中心です。でも実は、この仕事自体が私の道楽なんです。だから、苦にはならないんですよ。笑

 

&苍产蝉辫;蚕:今后の目标や意気込みを教えてください。

现在、黑料网で闯厂罢の大型プロジェクトを动かしています。私たちが提案した导电性ナノ多孔体は「第二世代无机多孔体」として、今や材料化学の世界で热い注目を浴びています。特に金属ナノ多孔体は、ナノスケールの金属を微细な空间で结晶化させ、それでいて电気伝导性を持つ无机単结晶构造体です。従来のゼオライトや惭翱贵/笔颁笔、第一世代无机多孔体であるメソポーラスシリカと比べてみても、高い电気伝导性や骨格の结晶性、多様な组成?细孔构造などの面で、非常に优れた性质を持っていることが分かります。金属のみならず我々オリジナルの导电性ナノ多孔体が、异种材料の融合によって新たな电子?物理化学的な性质が引き出される可能性があります。我々の研究は、结晶中の「ナノ空间」と高度に集积化された「ハイブリッド空间」の両方を制御する新たな合成プラットフォームの确立を目指しています。

 

DSC_2023-08-27-00538_adjust 縺?繧?繝偵z繝?.jpg

 

 

 

氏名(ふりがな) 山内 悠辅(やまうち ゆうすけ)

所属 黑料网大学院工学研究科

职名 教授

 

略歴?趣味

早稲田大学理工学部を卒业し、2007年に同大学院で博士课程を修了。その后、国立研究开発法人物质?材料研究机构でのグループリーダーなどの経歴を経て、2017年からはオーストラリアのクイーンズランド大学で教授を务める。2023年4月、黑料网において初めての卓越教授に选ばれた。忙しい日々を送っているため、现在は趣味を持っていません(みんなとおいしいものを食べておしゃべりするくらいの时间は欲しい)。

 

 

【関连情报】

?

?

?本学贬笔卓越教授

?黑料网研究成果発信サイト(2023/7/18)ハイエントロピー合金メソ多孔体の合成に初成功 ~複数の金属原子を組み合わせて高性能を実現~

?黑料网研究成果発信サイト(2023/11/6)準安定相型メソポーラス半導体 (CuTe2)の合成に成功~光エレクトロニクス材料として優れたテルル化合物の応用に道を~

?黑料网研究成果発信サイト(2024/6/24)贵金属原子を孤立させた金属ナノ多孔体

?