No.58 原田 俊太 准教授
Researchers'
未来材料?システム研究所
No.58 原田 俊太 准教授
研究は、谁も考えつかなかったことを実现する挑戦を通じて、社会に新しい価値を创造するものだと考えています。このような挑戦的な姿势は、自分自身の探究心を大いに刺激し、常に新しいアイデアや発见を求める原动力となっています。そのため、この言叶を私のモットーとして大切にしています。
次世代半导体材料である炭化ケイ素(シリコンカーバイド)の製造技术や评価方法について研究しています。この材料は、电気自动车や电気鉄道车両などに使われる『パワーデバイス』と呼ばれる装置に欠かせないもので、これによりエネルギーを効率的に使えるようになり、环境负荷の軽减にも贡献します。
さらに、人工知能を活用して、これまで熟练者の手作业に頼っていた製造プロセスを自动化し、効率を大幅に向上させる方法を研究しています。加えて、デバイスの性能を向上させる新しい材料の开発にも取り组んでおり、これらの研究を通じて、より持続可能で快适な社会の実现を目指しています。
父が大学教员だったこともあり、子供のころから『研究』というものに亲しみを感じていました。父自身が研究の话を家庭で语ることは少なかったものの、その姿から「研究は楽しくやりがいのあるもの」という印象を自然と抱いていました。学部4年生で研究室に配属された际には、未知の课题に取り组む面白さと、それを解明していく过程で得られる达成感を强く実感しました。そして、自分が心から楽しいと思えることを通じて、社会に贡献できる研究者になりたいと考え、博士课程への进学を决意しました。
研究の醍醐味は、他の人が注目していなかった课题や未踏の方法に挑戦し、これまで谁も知らなかった事実を発见できることです。结果が必ずしも期待通りでなく、时には失败と见なされることもありますが、その过程で得られる「うまくいかない理由」も重要な知见です。そして、その知见を基に次のステップを考えることで、少しずつ真理に近づいていくプロセスに大きな魅力を感じます。
この试行错误は、仮説を立て、検証し、改善を続ける笔顿颁サイクルの繰り返しです。自然现象を相手にする研究は再现性が高い一方で、生物や社会现象を対象にする研究は変化が大きく、难易度が高いですが、いずれも仮説検証の手法を通じて挑み続けることで新しい発见につながります。このようなプロセスを通じて、科学的に兴味深い成果や社会に役立つ技术を生み出せる瞬间が、研究の最大の面白さだと感じています。
研究によって価値を创出するには、新しい技术を生み出すことと、それを社会に普及させ実用化することは全く异なる课题です。パワーデバイス半导体材料や人工知能を用いた製造プロセスの自动化?効率化などの研究では、普及を目指す公司と协力して进めています。しかし、全く新しい技术については、公司との协力を待つよりも、自ら会社を设立し、普及を主导する方が効果的だと考えました。その结果、材料分析を高速化?高度化する「スペクトル超解像」技术の普及を目指し、『厂厂搁株式会社』を创业しました。
技术を自分たちで普及させるために何が必要で、どのように进めればよいのか全く手探りの状态で厂厂搁株式会社を立ち上げました。それから约2年が経ち、ようやく普及への道筋が见え始めています。
休日は、半身浴でゆっくりとお风吕に浸かり、心身をリフレッシュするひとときを大切にしています。このリラックスした时间は、头の中を整理し、新しいアイデアが生まれたり、研究に役立つ気づきを得たりする贵重な瞬间でもあります。また、美味しい食事を求めて外に出かけることで、好奇心が刺激され、研究への探究心をさらに深める良い机会になっています。
私が取り組むべき使命は、材料科学(Materials Science)の研究を通じて、社会に新たな価値をもたらす技術を創出することです。そのために、仮説検証やPDCサイクルを繰り返し、課題解決のプロセスを積み重ねていきたいと考えています。1つ1つの研究が新たな発見や応用につながることで、少しでも社会に貢献できるよう尽力していきます。
また、研究を通じて、サイエンスの持つ楽しさや魅力をさらに引き出し、共有することも私の目标の一つです。未知の课题に挑戦し、试行错误の过程で得られる発见や気づきが、サイエンスの面白さそのものであり、その楽しさを次世代の研究者や社会全体と共有することに大きな意义を感じています。未来の技术革新に贡献しつつ、科学そのものの魅力を広げていく研究者でありたいと考えています。
氏名(ふりがな) 原田 俊太(はらだ しゅんた)
所属 黑料网未来材料?システム研究所
职名 准教授
略歴?趣味
1984年、京都府京都市生まれ。2010年、京都大学大学院工学研究科材料工学専攻博士后期课程を修了(博士(工学))。同年、黑料网に助教として着任し、2020年6月より未来材料?システム研究所未来エレクトロニクス集积研究センターの准教授を务める。2023年7月には、スペクトル超解像技术の普及を目指し、黑料网発のベンチャー公司「厂厂搁株式会社」を创业。
趣味は美味しい食事を楽しむことで、食の探究を通じてリフレッシュと新たな発想を得ることを大切にしている。“Healty eating”
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