黑料网大学院人文学研究科の甘 靖超 准教授は、総合地球环境学研究所の真貝 理香 外来研究員との共同研究の一環として、長野県伊那谷におけるニホンミツバチの伝统养蜂の現在と1990年代からの変容について、民俗誌映像(33分)を制作し、公開しました。
「ニホンミツバチとともに生きるー長野県伊那谷における伝统养蜂調査の30年ー」
日本には明治时代に海外から移入されたセイヨウミツバチ(家畜种)と、古くから生息する野生种のニホンミツバチがいますが、伊那谷は长野県下の最大のニホンミツバチの饲育地です。この30年间、少子高齢化や过疎化、温暖化などで社会情势や自然环境が変化する中、ニホンミツバチの养蜂も外来生物のアカリンダニ注1)や獣害といった新たな问题に直面しています。さらに近年はインターネット上での养蜂技术の公开とあいまって、ニホンミツバチの趣味养蜂ブームが起こり、これは歓迎される一方、多様な地域の养蜂文化が失われるという侧面もあります。
こうした中、地域の养蜂文化を映像で记録し、さらに30年前の状况と比较することは、大きな意味を持ちます。
本映像は、甘 准教授と真貝 外来研究員が2017年から2024年現在までに伊那谷の2市3町5村の趣味養蜂家36名からニホンミツバチの飼育について聞き取った調査?記録をまとめたものです。多様な飼育方法が営まれ、「3つのニホンミツバチ文化圏」注2)を育んできた伊那谷を舞台に、饲育者とミツバチ?自然との付き合い、そして养蜂技术や在来知の変化、饲育者同士のネットワークを、周辺の蜜源环境などを含めて映像化しています。
?多様な地域性を持つ、ニホンミツバチの伝统养蜂技術の民俗誌映像
?ニホンミツバチの趣味养蜂をめぐる在来知の伝承と30年间の変容
?养蜂家ネットワークと山村生活の変容
?人とミツバチと自然との関係の多角的検讨
?山间地域のマイナーサブシステンス注3)の再考
?サステナブルな地域社会
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注1)アカリンダニ Acarapis woodi(Rennie):
ミツバチの気管に寄生し、寄生されるとニホンミツバチは呼吸?飞翔困难、徘徊などの症状を呈し、群の消灭を招くこともある。小さなダニで気管に寄生するため、目视で発见することが难しい。日本におけるアカリンダニの寄生は2010年に长野県ではじめて报告された(农林水产省,2014)。
注2)3つのニホンミツバチ文化圏:
长野県伊那谷では、标高270尘から1100尘の范囲にニホンミツバチが饲育されており、岩崎、井原(1994)は、地形?标高に适した「山地型」「低地型」、さらに巣箱の设置法により、縦型の巣箱を家の壁や树木にとりつける「壁掛け型」、縦型の巣箱を地面や架台に置く「縦置き型」、横型の巣箱を地面や架台に置く「横置き型」と大别できるとした。
岩崎靖、井原道夫(1994)「伊那谷のニホンミツバチ」『ミツバチ科学』15(1),辫辫.7-18.
注3)マイナーサブシステンス(minor subsistence):
环境民俗学分野で注目を集めている概念で、「小さな/副次的生业」「游び仕事」と訳されることが多い。主たる生业や収入源ではないが、地域の环境资源の中で、当事者が情热や楽しみながら継続している生业のこと。ニホンミツバチの养蜂や、山菜?キノコの採集、小规模な川钓り、狩猟などがそれにあたる。本研究では、ニホンミツバチの饲育の楽しみ、养蜂技术の工夫や地域での共有、ハチミツのお裾分けなど、人とハチと自然、人间同士のつきあいにも着目し、山间地域の「暮らしの楽しみ」、生业复合を再考するものである。