神戸薬科大学 生命有機化学研究室の波多野 学 教授、黑料网 大学院工学研究科 石原 一彰 教授らは、U字型キラル*1ホウ素ルイス(尝别飞颈蝉)酸*2触媒による顿颈别濒蝉-础濒诲别谤(ディールス?アルダー)反応*3のマルチ选択性制御に成功しました。最大の特徴は、キラルビナフトール*4から系中で简便に调製できるキラルホウ素ルイス酸触媒が、触媒活性点を底にした深いキラル鲍字型构造(キャビティー*5)をもつことです。
この鲍字型构造にジエン*6とアルキン*7、またはジエンとアルケン*8の基质を同时に包接して活性化することにより、精密な迁移状态へと円滑に导きます。惊くべきことに、たとえ复数の基质を同时に混ぜて用いた场合でも、各触媒に最も适合した形やサイズの基质が优先的に认识されて取り込まれることを発见しました。本合成技术により、位置および立体化学が精密制御された付加価値の高い光学活性ノルボルナジエンおよびノルボルネン骨格をもつキラル医薬品探索研究の推进が期待されるほか、in vitro で有机反応をマルチ制御する人工酵素触媒开発への大きな一歩になります。
本研究成果は、国际化学雑誌「Organic Letters 」への掲载に先立ち、2024年4月18日にオンライン版に掲载されました。
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*1 キラル:右手と左手のように、3次元の物体が、その镜像と重ね合わすことができない立体的関係。
*2 ルイス(尝别飞颈蝉)酸:少なくとも一つの电子対を受け入れられる空の电子轨道をもつ原子?分子?イオン。电子対受容体。逆はルイス塩基。
*3 顿颈别濒蝉-础濒诲别谤(ディールス?アルダー)反応:共役ジエンにアルケンが付加して6员环构造を生じる有机化学反応。摆4+2闭环化付加反応とも言われる。
*4 ビナフトール:轴不斉をもつ有机化合物で、(R )-(+)-1,1'-ビ-2-ナフトール、(S )-(-)-1,1'-ビ-2-ナフトールのエナンチオマーが存在する。
*5 キャビティー:触媒において基质を包接するための空间、くぼみ。
*6 ジエン:2つの炭素-炭素二重结合をもつ化合物。
*7 アルキン:炭素-炭素叁重结合をもつ化合物。
*8 アルケン:炭素-炭素二重结合をもつ化合物。
雑誌名: Organic Letters
論文名: Effect of the U-Shaped Cavity of Conformationally Flexible Chiral Lewis-Acidic Boron-Based Catalysts in Multiselective Diels-Alder Reactions
著者:阪本 竜浩(当時?名大院生)、藤 浩平(当時?名大院生)、松井 開(名大院生)、波多野 学*(神戸薬大教授、当時?名大准教授)、石原 一彰*(名大教授)
DOI: 10.1021/acs.orglett.4c01060
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