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生物学

2024.05.08

植物免疫の活性化に関わるタンパク質分解酵素を発見 ~植物が病原細菌を認識するしくみの理解に貢献~

黑料网大学院理学研究科の松井 彩 研究員と松林 嘉克 教授らの研究グループは、同大学ITbM分子構造センターおよび同大学遺伝子実験施設との共同研究で、细菌のべん毛を构成する主要タンパク质であるフラジェリンから植物免疫注1)を诱导するペプチド断片を切り出すタンパク质分解酵素(プロテアーゼ)を発见しました。
植物は、フラジェリンをプロテアーゼによって断片化し、生じたペプチド断片を、细菌の存在を示すシグナル分子として认识して免疫反応を开始します。しかし、フラジェリンを断片化し、免疫诱导ペプチドを切り出す植物の酵素はこれまで分かっていませんでした。
本研究では、フラジェリンが植物の酵素によってどのように断片化されるかを明らかにし、さらに、植物のプロテアーゼ厂叠罢5.2と厂叠罢1.7が、フラジェリンを断片化して免疫诱导ペプチドを切り出すことを発见しました。これらの结果は、植物が病原细菌を认识するしくみ理解する上での重要な手掛かりとなり、病気に强い植物の作出などの农业的応用につながることも期待されます。
本研究成果は、2024年5月4日付イギリス科学雑誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。

 

【ポイント】

?植物は、病原细菌のべん毛を构成する主要タンパク质をタンパク质分解酵素によって断片化し、生じたペプチド断片を、细菌の存在を示すシグナル分子として认识して免疫反応を开始する。
?本研究では、植物が细胞外に分泌し、べん毛タンパク质であるフラジェリンから免疫を诱导するペプチド领域を切り出すタンパク质分解酵素を発见した。
?本研究成果は、病気に强い植物の作出につながると期待される。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

注1)植物免疫:
植物は、病原体に固有の分子を植物细胞表面に存在する受容体によって认识すると、気孔の闭锁、细胞壁の强化、抗菌物质の生成などの一连の防御応答を诱导して病原体から身を守る。べん毛タンパク质フラジェリンのように病原体の生存に必须、かつ様々な病原体において高度に保存された部位を、植物は病原体固有の分子として认识することが多い。

 

【论文情报】

雑誌名:Nature Communications
论文タイトル:Arabidopsis SBT5.2 and SBT1.7 subtilases mediate C-terminal cleavage of flg22 epitope from bacterial flagellin
著者:Sayaka Matsui, Saki Noda, Keiko Kuwata, Mika Nomoto, Yasuomi Tada, Hidefumi Shinohara and Yoshikatsu Matsubayashi
DOI: 10.1038/s41467-024-48108-4  
URL:

 

【研究代表者】