黑料网大学院理学研究科の山本 宏昭 助教、竹内 努 准教授、石川 竜巳 博士前期課程学生の研究グループは、地球から約1.8万光年離れたマイクロクエーサー SS433の相対論的ジェットに付随する分子云から、近紫外线が放射されていることを発見しました。
山本 助教らは、近紫外线のアーカイブデータとSS433に付随する分子云の比較を行ったところ、SS433に一番近い場所にある分子云で近紫外线が放射されていることを発見しました。近紫外线の放射領域は分子云の広がりとほぼ一致しています。分子輝線、遠赤外線のデータとの比較から、近紫外线放射は分子云の背後、SS433のジェットと分子云の相互作用面から放射されていることを明らかにしました。この紫外线放射が分子云や分子云中の星間ダストを暖め、暖められた星間ダストが遠赤外線で再放射していることを突き止めました。この結果は宇宙線の粒子加速や空間的に構造を分解できないクエーサーの物理現象の理解に役立つと考えられます。
本研究成果は、2024年4月8日付日本天文学会欧文研究報告『Publications of the Astronomical Society of Japan』に掲載されました。
?大質量星や超新星残骸などの高エネルギー現象で放射される近紫外线放射が、マイクロクエーサー注1)SS433の相対論的ジェットと相互作用している分子云注2)で検出された。
?分子輝線の放射強度と近紫外线の放射強度との比較から、近紫外线放射は分子云の背後から放射されていることを発見。
?SS433の相対論的ジェットと分子云が直接相互作用していることを明らかにした。
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注1)マイクロクエーサー:
ブラックホールと星の近接连星系の内、ジェットを放出している天体のこと。伴星の巨星化などにより、主星の重力圏に伴星のガスが入り込むと、伴星のガスが主星に取り込まれる。こうして、主星に降り注いだガスは、主星の周りにガスディスクを形成し、そこからジェットを放出する。クエーサーのミニチュア版ということから、マイクロクエーサーと名付けられている。
注2)分子云:
銀河系の主要構成要素の1つ。他には星間ダストと星がある。分子云の主要構成要素は水素分子だが、電気双極子モーメントを持たない水素分子は低温下では放射を出さない。分子云中で水素分子の次に存在量が多く、かつ化学的に安定である一酸化炭素分子が出す放射を観測することで、分子云の物理量、性質や運動を調べることができる。一酸化炭素分子は12C16翱(颁翱)が主として存在している。その同位体である13C16O(13颁翱)は一酸化炭素分子全体の1-5%程度で、颁翱で観测される领域よりも密度の高い领域を観测することができる。
雑誌名:Publications of the Astronomical Society of Japan
論文タイトル:Near-ultraviolet radiation toward molecular cloud N4 in W50/SS433: Evidence of direct interaction of the jet with molecular cloud
著者:Yamamoto, H., Ishikawa, T., Takeuchi, T. T., (全員黑料网理学研究科所属)
DOI: 10.1093/pasj/psae007
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