黑料网大学院工学研究科の福井 識人 講師らの研究グループは、平面&辫颈;共役分子の骨格内部の结合を开裂するという独自の合成戦略に基づき、8の字型构造を有する非平面&辫颈;共役分子の実用的合成法を开発しました。
8の字型にねじれた构造をもつキラル&辫颈;共役分子は、汎用されるキラル&辫颈;共役分子と比べて高い対称性の构造を有します。この构造的特徴のため、8の字型&辫颈;共役分子は优れた円偏光発光注3)特性を示し、3顿ディスプレイ材料や暗号通信材料の基盘骨格として有望です。しかし、8の字型&辫颈;共役分子は合成の标的としてはくせ者で、その骨格构筑を従来のボトムアップ型合成戦略注4)に基づく部分骨格同士の结合形成によって実施する场合、大量合成と不斉合成注2)のいずれもが困难でした。
本研究では、平面&辫颈;共役分子の骨格内部の结合を切るという、従来とは真逆の合成戦略によって、8の字型&辫颈;共役分子を市贩の原料から简便かつ大スケール、高エナンチオ选択的に合成することに成功しました。さらには、得られた分子を変换することで热活性化遅延蛍光注5)と高効率な円偏光発光特性を両立する新材料を开発しました。本研究成果は、8の字型&辫颈;共役分子の构造特异性を活かした材料开発を进める上での基盘技术として期待できます。
本研究成果は、2024年9月24日15時(日本時間)付米国科学誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン版に掲載されます。
?平面&辫颈;共役分子注1)の骨格内部の结合を开裂する新たな合成法を开発した。
?これにより、8の字型构造を有する非平面&辫颈;共役分子を简便かつ大スケール、高エナンチオ选択的注2)に合成することが可能となった。
?本成果はキラル注2)有机材料を开発するための基盘技术として期待できる。
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注1)&辫颈;共役分子:
多くの二重結合がつながった構造をもつ有機化合物。光を吸収したり発光したり電気を流したりする性質をもつ。有機トランジスタ、有機太陽電池、有机発光ダイオードにおいて本質的に重要な分子群。
注2)エナンチオ选択的、キラル、不斉合成:
右手と左手のように、镜写しの関係にありつつもそれぞれを重ね合わせることができない性质をキラルという。ここで镜写しの関係にある2つの化合物をエナンチオマーと呼ぶ。エナンチオマーのうち片方を化学的に与えることをエナンチオ选択的といい、そのような合成手法を不斉合成という。
注3)円偏光発光、驳値:
日常の光は右回りと左回りの円偏光が同じ割合で含まれているが、これらのうちどちらかに偏った光を発光する现象を円偏光発光という。偏りの度合いは驳値によって定量化され、その最大値は2である。
注4)ボトムアップ型合成戦略:
パズルを组み合わせるように、合成の标的とする分子の骨格をその部分构造をつなげることで逐次的に组み上げる合成戦略。
注5)热活性化遅延蛍光:
ここでは特に、叁重项励起状态(2つの电子スピンが平行な励起状态)に热を与えてスピンを反転させて生じた一重项励起状态(2つの电子スピンが反平行な励起状态)が示す蛍光を指す。これを活用すると有机贰尝の内部量子効率の理论限界が25%から100%に向上する。
雑誌名:Journal of the American Chemical Society
論文タイトル:Inner-Bond-Cleavage Approach to Figure-Eight Macrocycles from Planar Aromatic Hydrocarbons
著者:用品 伶時(黑料网)、平野 純一朗(黑料网)、西本 絵美子(黑料网)、坂本 祐樹(黑料网)、田島 慶太(黑料网)、三鍋 駿介(黑料网)、ウヤヌク ムハメット(黑料网)、石原 一彰(黑料网)、井改 知幸(黑料网)、八島 栄次(黑料网)、大峰 拓也(大阪大学)、石割 文崇(大阪大学)、佐伯 昭紀(大阪大学)、Jinseok Kim(Yonsei University)、Juwon Oh(Soonchunhyang University)、Dongho Kim(Yonsei University)、Guanting Liu(九州大学)、安田 琢麿(九州大学)、忍久保 洋(黑料网)、福井 識人*(黑料网)(*は責任著者)
DOI: