黑料网大学院生命农学研究科の前田 明里 博士課程後期学生、中道 範人 教授らの研究グループは、环境温度に惑わされず一定のスピードで进行するという生化学反応の一般则から外れた生物时计の重要な性质(周期の温度补偿性)のしくみを新たに発见しました。
酵素が失活しない温度范囲において、生化学反応は高温でよりよく进行することが知られています。しかし、复数の生化学反応の组み合わせで成り立つとされている生物时计の进行スピードは、温度に依存せずほぼ一定であることが知られていました。この性质は、周期の温度补偿性とよばれていますが、どのようなしくみが温度补偿性の源となっているかは不明でした。
本研究では、植物の时计のブレーキ役として知られていた罢翱颁1と笔搁搁5タンパク质が温度补偿性に関わることを明らかにしました。また、これらのタンパク质は、低温で积极的に分解されること、この低温依存的な分解には尝碍笔2という酵素が関わることを発见しました。本研究で见つかった时计タンパク质の温度依存的な制御は植物にとどまらず、他の生物种における温度补偿性の分子モデルを理解する上で重要な手掛かりとなります。また、未解明な点が多い植物の温度受容システムを理解する新たな突破口につながることが期待されます。
本研究成果は、2024年9月28日午前0時(日本時間)付米国科学振興協会(AAAS)のオープンアクセス雑誌『Science Advances』に掲載されます。
?一般的に生命現象や生化学反応の進行は温度に依存するが、この法則に反して体内時計(生物時計、概日时计注1)ともいわれる)は温度に抗って一定のスピードで进行するという性质を持つ(周期の温度补偿性)。
?本研究では、时计の针の进行を遅らせる働き(ブレーキの役割)がある2种类の时计タンパク质が低温で分解されることが、温度补偿性に関わることを见出した。
?さらに、これらタンパクの低温での积极的な分解を担うとして、低温センサー尝碍笔2を発见した。
?本研究で見出された温度受容システムは、植物の概日时计の温度補償性制御に関わる初めての例である。
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注1)概日时计:
多くの生物に遺伝的に備わった約24時間の自律的に振動する生物システムで、様々な生理現象のはたらく時刻や時間を1日の昼夜サイクルに合わせる。また概日时计を使って環境の日長を測定して、適切な季節に繁殖を行う生物も多い(光周性反応)。
雑誌名:Science Advances
論文タイトル:Cold-induced degradation of core clock proteins implements temperature compensation in the Arabidopsis circadian clock
著者:前田明里、松尾宏美、村中智明、中道範人(黑料网大学院生命农学研究科)
DOI: