宇都宫大学大学院地域创生科学研究科博士后期课程3年の野口穂さんとバイオサイエンス教育研究センターの児玉豊教授らの研究グループは、黑料网大学院理学研究科の松林嘉克教授および野田沙希技术补佐员と共同で、植物の青色光受容体(注1)フォトトロピン(辫丑辞迟)が光と温度に応じて2つの自己リン酸化(注2)様式を切り換え、植物にとって過酷な環境に対して迅速に応答する仕組みを解明しました。本成果は2024年12月3日付で英国科学誌The Plant Journalに掲載されました。
● 植物は、光合成を行う叶緑体を细胞内で移动させることで、光を効率よく集めると同时に、强光によるダメージから守ります。
● この叶緑体の移动は、青色光や温度変化を感知するタンパク质「フォトトロピン」によって制御されています。
● 通常の光环境では、各フォトトロピンが独立して自己リン酸化(自身にリン酸基を付加する反応)を行いますが、强光などの过酷な环境では、フォトトロピン同士が协调して互いにリン酸化し合うことを発见しました。
● フォトトロピンのリン酸化様式の切り换えは、植物が光环境の変化を感知し、迅速に応答するための重要な仕组みであることが示唆されました。
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(注1)青色光受容体:
青色光受容体は青色光(太陽光や蛍光灯の光などに含まれ、波長が450 nm前後)を受け取るタンパク質。植物はphotを含む複数の青色光受容体によって光の波長(色)、強さ、方向などを感知する。
(注2)リン酸化:
タンパク质を构成するアミノ酸の中で、セリン、スレオニン、チロシンを标的とした可逆的な翻訳后修饰の一つ。リン酸化は多くのタンパク质の机能を调节することが知られている。タンパク质をリン酸化する酵素のことをキナーゼタンパク质と呼び、キナーゼタンパク质が自分自身をリン酸化する现象を自己リン酸化と呼ぶ。
論文名:Phototropin switches between cis - and trans-autophosphorylation in light-induced chloroplast relocation in Marchantia polymorpha
(ゼニゴケのフォトトロピンは叶緑体定位运动を制御するためにシス自己リン酸化とトランス自己リン酸化を切り换える)
著者:Minoru Noguchi, Saki Noda, Yoshikatsu Matsubayashi, and Yutaka Kodama*
掲载誌:The Plant Journal
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