化学
2024.12.24
耐久性を大幅改善!フッ素系化合物を添加した カーボンナノチューブ電極を用いたペロブスカイト太阳电池を開発
黑料网大学院工学研究科および未来社会创造机构マテリアルイノベーション研究所の松尾 豊 教授、上岡 直樹 助教らの研究グループは、2,2,2-トリフルオロエタノールを添加した単層カーボンナノチューブ電極がペロブスカイト太阳电池の耐久性を格段に向上させることを見出しました。この太阳电池は、作製时に14.1%のエネルギー変换効率を示していましたが、未封止?大気下で280日间保管した后も8.2%の変换効率を记録しました。一方、従来の银电极を用いた参照素子は、作製时に16.4%の変换効率を示していましたが、未封止?大気下で260日间保管した时点で、银电极下のペロブスカイト层が黄色に変色し、変换効率は0%にまで低下していました。解析の结果、2,2,2-トリフルオロエタノールを添加した単层カーボンナノチューブ薄膜を电极として使用した场合、ペロブスカイト结晶の分解が抑制されていることが明らかになりました。
本研究グループではこれまで、単層カーボンナノチューブ電極がペロブスカイト太阳电池の耐久性を向上することを示し続けてきましたが、フッ素系化合物をカーボンナノチューブ電極に添加することで、耐久性が一層向上することがわかりました。
ペロブスカイト太阳电池の実用化において、耐久性が最大の問題となっており、厳密な封止技術が検討されています。しかし、封止なしでも耐久性があるペロブスカイト太阳电池は、封止を施すことで、さらに実用レベルの耐久性に達する可能性があると期待されます。
本研究成果は、2024年7月14日付で光化学の専门誌『笔丑辞迟辞肠丑别尘』のオンライン速报版に掲载されました。
?単層カーボンナノチューブ電極を用いるとペロブスカイト太阳电池注1)の耐久性が向上。
?电极にフッ素系化合物を添加すると、この太阳电池の耐久性がさらに向上。
?ペロブスカイト太阳电池の実用化への課題とされている耐久性の問題解決に寄与する。
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注1)ペロブスカイト太阳电池:
ペロブスカイト构造とよばれる结晶构造を持つ物质を用いて作られた太阳电池。従来のシリコン太阳电池よりも軽量で柔软性があり、再生可能エネルギー分野における次世代太阳电池に位置づけられている。
雑誌名:Photochem 2024, 4(3), 319-333.
論文タイトル:Facile Doping of 2,2,2-Trifluoroethanol to Single-walled Carbon Nanotubes Electrodes for Durable Perovskite Solar Cells
着者:上岡 直樹,Achmad Syarif Hidayat,大島 久純,土方 啓暢,松尾 豊*
(*は责任着者、下线は本学関係者)
DOI: doi.org/10.3390/photochem4030019
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