国立大学法人東海国立大学機構 黑料网博物館?大学院情报学研究科の新美 倫子 准教授は、冲縄県立埋蔵文化財センターの玉城 綾氏との共同研究で、冲縄の縄文时代遺跡である新城下原第二遺跡(冲縄県宜野湾市?北谷町)から出土した約6900年前のイノシシ類が、下顎骨に见られる家畜化现象注1)から、イノシシではなくブタであることを确认しました。また、下顎骨を用いた年齢査定により、高齢个体が生存していることが判明し、野生ではなく、人間がブタを饲育していたことが分かりました。
すでに、当遺跡の近隣にあり、数百年の時代差がある遺跡、野国貝塚(冲縄県嘉手納町)において、縄文时代にブタ饲育が行われていたことを明らかにしましたが(2021年)、ブタ饲育が、一遺跡のみに限られたできごとだったのか、継続して広く地域で行われる文化だったのかは分かっていませんでした。
本研究では、新城下原第二遺跡と野国貝塚のブタ饲育パターンが共通していることが分かり、同一地域にあり、少し時代が異なる二つの遺跡において、同じパターンのブタ饲育が行われていたことから、ブタ饲育が、縄文时代早期~前期の当地域で文化として共有され、継続的に運用されていたと考えることができます。
この研究成果は、2022年7月24日付冲縄动物考古学会の学術雑誌「南島考古」41号に掲載されました。
?新城下原(あらぐすくしちゃばる)第二遺跡(冲縄県宜野湾市?北谷町)で、6900年前(縄文时代前期)にブタが饲育されていたことが明らかになった。
?すでに、近隣にある野国貝塚(冲縄県嘉手納町)において、7200年前(縄文时代早期)にブタが饲育されていたことは分かっていたが、今回、両遺跡で行われていたブタ饲育のパターンが共通していることが分かった。
?近隣にある少し時代が異なる遺跡において同じパターンのブタ饲育が行われていたことにより、ブタ饲育が、縄文时代早期~前期のこの地域で文化として共有され、継続的に運用されていたと考えることができる。
◆详细(プレスリリース本文)はこちら
注1)家畜化现象:
野生のイノシシからブタへの家畜化の过程で起きるさまざまな変化。この过程において骨に起きる変化には、下顎骨の前面が凹む以外にも、头盖骨の额と鼻の境目に段ができる、涙骨(眼窝の前にある骨)が短くなる、骨そのものが肥大する等があり、これらを利用して、遗跡から出土する野生イノシシとブタを见分けることができる。
雑誌名:南岛考古41号
論文タイトル:新城下原(あらぐすくしちゃばる)第二遺跡出土のイノシシもブタなのか?―縄文时代早~前期の冲縄型ブタ饲育パターンー
著者:新美伦子(黑料网)?玉城綾(冲縄県立埋蔵文化財センター)