こんにちは。医学部5年生の佐井です。今回は、惫辞濒.4の时间割に出てきた、「环境?労働と健康」という名前で开讲されている卫生学と、同じく社会医学の一分野であり「人の死と生命伦理?法」という名前で开讲されている法医学についてご绍介しようと思います。
社会医学 Social Medicine
卫生学や法医学について语る前に、それらを含む社会医学というものがなんなのかを明らかにしておきましょう。医学には、基础医学、临床医学、社会医学という3つの分类があります。以前、解剖のところで「细胞が集まって组织をつくり、组织が组み合わさって器官となり、器官それぞれが连携しあって个体をつくる」という话をしましたが、主として细胞や组织に注目して病気のしくみを解明するのが基础医学、患者さんという1人の人(个体)、あるいは病気になっている臓器(器官)に対してどう治疗するのかを考えるのが临床医学です。では、社会医学が扱う分野はどこかというと、「个体が集まった集団」です。扱うものがさらに大きくなりましたね。
身近なところだと、インフルエンザに罹ったときなんかがわかりやすいでしょうか。インフルエンザに罹ったときは薬をもらって、热が下がるのを待ちますよね。ここまでは临床医学です。その后、热が下がってからも2日间学校を休みませんでしたか?これが社会医学です。インフルエンザは热が下がった后でもしばらくはウイルスが出てくるので、もし教室に戻ったらほかの人にうつしてしまいます。そうならないように法律で休むよう定められているのです。このように「集団の健康を守る」ためにあるのが社会医学です。
卫生学 贬测驳颈别苍别
卫生学は健康の维持と増进、病気の予防を目的とし、人间の健康に及ぼす要因を探るものです。具体的な要因としては、金属、毒物、感染性微生物などがあげられます...といわれても、あまりピンとこないと思うので、工场や建设现场を想像してみましょう。そこではペンキを使っているかもしれません。あるいは溶接をしているかもしれません。仕事をしているとシンナーやトルエンといった有机溶剤を吸い込んでしまうこともあるでしょうし、大きな音や、闪光にさらされることもあるでしょう。また产业廃弃物として工场の外に出されるものもたくさんあります。仕事をする上で致し方ないこととはいえ、放っておくわけにはいきません。雇い主は従业员の健康を守るため、职场の环境を整える义务がありますし、产业廃弃物を适切に処理しないと公害として周辺に住む人の健康に影响を与えます。これらを法律等で规制するためには、基準を定めなければいけませんので、たとえば、吸い込んだ物质が体の中でどのような影响を与え、その后どのように排出されるのかといったことや、どのくらいの量であれば许容できるのかといったことを研究で明らかにしていくわけです。10年程前には、耐热材として长らく使われてきたアスベストが、胸膜中皮肿というがんの一种の原因になるということで话题にもなりました。身体に入ってきた物质がどういった症状を引き起こすのか、身体に入ってきた量をどう测るのか、日本ではどれほど基準が达成されているのかということの解説が中心の讲义でしたが、同时に、単に症状を诊るだけでなく、その里に労灾や公害が隠れているかもしれないという视点で诊察することの重要性を感じた讲义でもありました。
とはいえ现代では公司の努力により、ここまで书いてきたような物理的な健康被害を诉える患者を诊ることはかつてに比べて减ってきたようです。法的基準を公司が満たしているかを监督する资格を持った医师のことを产业医といいますが、产业医が诊察する患者の症状は、精神的なものが多くなってきました。现代社会において人が仕事をする上で、もっとも影响を受け、悩むのは、モノではなく人だということですね。
法医学 Legal Medicine
法医学と闻いて何を思い浮かべるでしょう?私は刑事ドラマの印象が强いですが、みなさんはいかがでしょうか。
法的根拠として医学が求められる场面は多々ありますが、频度として一番多いのはやはり人の死に际したときです。そしてそのうち、法医学を専门としない医师にとっても関係するのが、死亡诊断书もしくは死体検案书の発行です。を読んでみるとわかるのですが、结构これが复雑なんです。そして、この书类は遗族にとっては死亡届を出すなど各种手続きに必要なものとなるのですが、国にとっても死因统计のデータとして重要です。ですので、讲义でもさまざまなケースが出され、どういった时にどちらをどのように书くべきかを考えるという実习があり、试験でも毎年问われています。
を引用
死因统计を见ると、平成6、7年顷に心疾患の数が急激に减っていますが、これは特効薬ができたとか、良い治疗法が见つかったとかいうことではなく、死因の书き方をより厳密にするようマニュアルに注意书きが足されたことによるものです。长く病気を患っている人の场合、谁しも死の直前は心臓の机能が落ちてき得るので、それ以前は死因として心不全や呼吸不全などが多く书かれてきました。しかしそれでは统计としては适切でないので改められたのですね。他にも死に际しての知识として、死亡推定时刻の求め方や、自杀と他杀の见分け方などがありますが、今回は割爱させていただきます。死といえば、脳死や尊厳死といった考え方が一般にも広く知られるようになってきました。医疗の进歩により、かつては救えなかった人を救えるようになった一方で、人间としての尊厳を持って死を迎えたいと考える人も増えてきました。1年や2年で答えが出せるような问いではないですが、避けては通れません。じっくりと向き合っていこうと思います。
死以外の场面だと、裁判の証拠として法医学が求められることが多いです。この场合は顿狈础鑑定などの手法を使うことが多いのですが、これに関しては选択実习を履修したので、また次回、详しくご绍介しようと思います。
まとめ
今回は、4年前期の「环境?労働と健康」と、4年后期の「人の死と生命伦理?法」をご绍介しました。どちらも人が社会生活を送るうえで必要とされてきた分野であり、学生としては种々の届出义务を覚える科目という印象が强かったです。さて、次回は法医学の実习で体験した、顿狈础鑑定と、爱知県警科捜研の见学について书いていこうと思います。
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Profile
所属:医学部医学科5年生
出身地:爱知県