No.56 和氣 弘明 教授
Researchers'
博物馆
No.18 吉田 英一 教授
私は、地球科学が専门で、自然に学ぶことをモットーとしています。そのためには、常に自然现象を谦虚に「见て」「考え」「行动」することが大事だと思っています。この闻きなれた最初の言叶のあとには続きがあります。実际に见て、考え、既成概念にとらわれずに行动することの大切さを常に认识させてくれる、私の座右の铭でもあります。
一言では応用地质学と言っていますが、地球科学的现象を理解し、工学や环境问题などに応用する研究です。现在进めている、地球だけでなく火星にも存在する「球状コンクリーション」の研究も、ユニークな自然现象の1つです。どうして丸く、硬くなるのか。なぜ、内部には非常に状态の良い化石が保存されているのかなど、现象理解と併せて、その自然の保存(シーリング)の「巧み」を応用する研究を行っています。
物心ついたときから、川や海、山といった自然の中で游び回っていました。今思うと、そこで见たり、感じたりした不思议を知りたい、と思ったのがきっかけかな、と。ですが、知れば知るほど不思议ばかりで、その不思议が减るどころか増えるばかりです。
自然科学は、仮説をたてて分析や解析を行っていく方法をとっていきますが、仮説どおりに行くことはまずありません。面白いのは、试行错误する中で、思いもよらない现象を発见できた时です。球状コンクリーションで言えば、従来は、岩石と同様に、形成に数十万年以上の时间が必要だと考えられていたのですが、数ヶ月?数年ほどで成长することを见出した时の兴奋は忘れられません。
博物馆は、創設21年目となります。最初は、年間数百人にも至らなかった来館者が、現在では3万人を超えます。毎年、特別展や企画展のほか、講演会やコンサートなども実施しています。このような活動の広がりは大学や、地域ボランティアの方々などの支援のおかげです。今後も、展示内容をリニューアルしつつ、皆さんに楽しんでもらえる博物馆にしていきたいと思っています。もちろん、コンクリーションなどの最新の研究資料も展示していますので、ぜひ見に来ていただければと思います。
家内に勧められて弓道を始めました。週末などの时间のある时しかできませんが、弓道は「正射必中」と言われ、雑念にとらわれたり、集中力に欠けているとまずは的中しません。その精神集中は、気分転换にもよく、くじけそうになった気持ちのリセットに非常に役立っています。弓道は自然科学に通じることが多く、生涯続けていきたいと思っています。
コンクリーションの研究を始めた顷の周りの反応は、「既に分かった现象で、それを研究して何が面白い?」といった、実はそんな雰囲気でした。ですが、様々な文献などを调べてみても、谁一人、その成因について明确に示した人はいない。ならば、自分で解くしかないだろうと。その思いをサポートしてくれたのが、分野を超えた共同研究者たちです。このメンバーとの出会いがなかったら、今の研究の広がりもなかったでしょう。改めて感谢しかありません。
もちろん、これからも球状コンクリーション研究を进めますが、现在、その现象を応用したシーリング素材开発を民间の会社と行っており、特许も申请中です。もし、実用化に至れば、地上や地下构造物の様々なインフラの、これまでにない长期耐久性の补强につながると考えています。今后も、このような自然现象の応用化研究をさらに展开していくつもりです。&苍产蝉辫;
氏名(ふりがな) 吉田 英一(よしだ ひでかず)
所属 博物馆
职名 教授
略歴?趣味
黑料网大学院理学研究科博士課程前期課程修了。核燃料サイクル開発機構(現?原子力研究開発機構)主任研究員を経て、2000年黑料网博物馆准教授、2008年より現職。趣味は、弓道、フィッシング、絵画(水彩)など。
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