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Researchers'

VOICE

大学院理学研究科

No.14 荘司 長三 教授

My Best Word:唯一無二の異端化学

 

Q:「My Best Word」を選ばれた理由は?

「変わった研究だね」、「よくそんなこと考えるよね」と言われるぐらい前例のない研究をしていきたいと常に思っているからです。谁かに追随するような研究では、その研究者の単なるフォロワーに成り下がるだけでなく、ゼロからイチを生み出す重要な过程を学生が経験できなくなるため、教育面でも问题があると考えています。结果が出るまでは、周りから批判されることも多く、辛いのですが、批判されている姿を见せることも教育であるはず、との信念をもって异端化学を続けていきたいです。

 

蚕:先生はどのような研究をされているのですか?

緑脓菌が必须栄养素の鉄分を获得するために分泌するヘム获得蛋白质に、合成金属错体のガリウムフタロシアニンを取り込ませた人工金属蛋白を作成し、これを緑脓菌に作用させたのち、赤色光を照射することで、緑脓菌を高効率に杀菌できるシステムの开発を行っています。このシステムでは、抗菌薬が効かなくなった多剤耐性緑脓菌も杀菌できることが明らかになり、実用化を目指しています。

 

蚕:研究を始めたきっかけは?

緑脓菌のヘム获得蛋白质の构造を见たときに、このヘム结合様式であれば、様々な合成金属错体を结合させることができると直感的に予想できたのがきっかけです。その后の緑脓菌の増殖阻害や光杀菌などの研究は、スタッフや学生との议论の中で生まれた研究成果で、それまではこういった使い方をする研究が皆无でした。

 

蚕:研究が面白い!と思った瞬间はどんな时ですか?

学生の时の研究で、自分で合成した高分子が期待通りの高い性能を示した时です。得られた结果をパソコンの画面で见たときに思わずニンマリしました。自由に研究をさせてくれる研究室だったので、高分子のデザインも自分で考え、合成法もほとんど独学で进めていたので、喜びもひとしおでした。そんな経験もあり、研究に嵌まりました。

 

一問一答.JPG
緑脓菌が鉄分を获得するために分泌するヘム获得蛋白质に、
合成色素のガリウムフタロシアニンを取り込ませた

人工金属蛋白质の结晶构造。

鲜やかなマリンブルーの水溶液が得られる。

 

蚕:7月にリリースした「緑脓菌を选択的に杀菌できる新手法を开発」という研究成果は、多数のメディアで报道されました。记者発表では、论文执笔に携わった大学院生自身がプレゼンをする等活跃していましたが、学生に期待することは何ですか?

失败を恐れずにいろんな场面で手を挙げて挑戦し、いろんなことを経験し、吸収して欲しいと思っています。今回の研究成果の记者発表は、顿3の四坂君が担当しましたが、発表前は、失败したらどうしようと、多少なりとも考えていたかもしれません(彼の场合は肝が据わっているので违うかもしれませんが)。私は両亲から「あんたの失败なんて、时间が経てば谁も覚えていないんだから、迷ったら前に出ればいいんだよ。」と育てられてきたおかげで、耻をかくことを気にしない性格に徐々に方向修正されていきました。同じように、私の学生にも耻をかくことを恐れずに前に出て欲しいと伝えています。教员の仕事は、学生が失败した时に责任をとることと、事前のアドバイスや练习に时间を割いて成功に导くことだと思っています。今回の记者発表は、幸いにも四坂君のプレゼンが完璧だったので、傍観するだけで终わりました。

 

蚕:くじけそうになったときは?ストレス解消法を教えてください。

くじけそうになった时には、「子供の前では、いつもかっこいいお父さんでいなくてはならない」と考えるようにしています。情けないお父さんの姿を见せないように、と思うと、辛く自信がない状况でもなんとか乗り切れます。研究费获得の面接等は、紧张することも多いのですが、自信に満ち溢れたかっこいい研究者(お父さん)を演じるつもりで临んでいます。ストレスの解消法は、やはり子供と游ぶことですね。公园でキャッチボールをしたり、プールに行ったりするだけで、疲れはしますが癒されます。子供が大きくなって游んでくれなくなったら、趣味に没头しようかと思います。

 

蚕:今だから言える、ここだけの话を闻かせてください。

大学では空手部(週5日練習) に所属していたので、授業のためというより、道場にいくために大学に来ているといった惨状でした。学部生の時に、もっとしっかり勉強しておけばよかったなあと後悔はしていますが、空手を通して学んだことも多く、研究室の運営などでは空手部での経験が生きています。

 

蚕:今后の目标は?意気込みも含めてお愿いします。

多剤耐性緑脓菌の光杀菌やベンゼンをフェノールに変换できるバイオ触媒の开発など、特许も取得した研究成果を実用化まで発展させて社会に贡献することを目指しています。また、意外な発想の研究を生み出し、継続する过程を通しての人材育成にも力を注いでいきたいです。

 

氏名(ふりがな) 荘司 长叁(しょうじ おさみ)

所属 大学院理学研究科

职名 教授

 

略歴?趣味

1975年生まれ。2002年千叶大学大学院自然科学研究科博士课程修了。奈良先端科学技术大学院大学博士研究员、黑料网大学院理学研究科助教、准教授を経て、2019年より现职。専门は、生物无机化学、酵素化学。

趣味:猫、コーヒー、ウクレレ、世界の蛍光ペン収集

 

 

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