こんにちは。医学部5年の佐井です。私たちの実习はすでに始まっていますが、多くの学部生は今週まで夏休みなんですよ!长いですよね(笑)。さて、今回は病気の诊断をする上で欠かせない科や部门での実习についてです。
病院でいろんな検査をされたことがあるかもしれませんが、そもそも検査ってなんのためにするんでしょう?たとえば、咳をしている人を见たら、「かぜなのかな?」と思うでしょうし、聴诊器をあてて、変な音が闻こえたら、「肺炎かな?」と思うわけです。ただ、これだけでは绞り込むには不十分です。ここで血を採ったり、写真を撮ったりといった検査をしてみると、より「その病気」である确率が高まるので、検査が诊断に有用であるというわけです。(検査の感度と特异度についてはこちら)
もちろん、この検査结果は担当医が読むわけですが、ことに、画像と病理に関しては専门家がいて、たくさんの症例と见比べてより详细に読んでくれます。
放射线科
画像を読むことを読影といい、この読影専門の医師は放射线科に属します。X線写真やCT、MRIとたくさんの種類の画像の、全身どこでも見なければなりません。以前は、体を5mmごとに切った断面しか見られなかったCTも、最近ではより薄いスライスで撮ることができるようになり、また撮影にかかる時間も短縮され容易に撮ることができるようになりました。急速な技術の進歩により画像の枚数が増える一方で、まだまだ読影医の数が追い付いていない分野です。
どんな写真も患者さんと向かい合って立っていると思ってください。
颁罢や惭搁滨などの轮切りの画像は、仰向けの人を足元から见るイメージです。
放射线科の専門を大きく2つに分けたとき、もうひとつ放射線治療という分野があります。治療にあたって、体内の様子をリアルタイムで透視するために放射線を使う場合と、放射線の威力そのものを使う場合がありますが、後者の中から、がん治療に用いられるIMRTというものについて触れようと思います。
がんの放射线治疗は、放射线でがん细胞に伤をつけて、がんの块を小さくするというものですが、放射线を一方向からあてるだけだと、通り道の健康な细胞まで伤つけてしまいます。なので、多方向からあてることで健康な细胞への影响は最小限に、しかし、がん细胞には必要な强さの放射线があたるように、という定位放射线治疗が生まれました。その究极が滨惭搁罢(强度変调放射线治疗)です。
(がんの块がこんなにとがっているわけはないのですが)四角锥のような块だった场合、见る角度によって、叁角形だったり四角形だったりしますよね?この形にあわせて放射线をあてるのが滨惭搁罢です。患者さんの颁罢画像等から、がんを叁次元的にとらえ、それに合わせてどの角度からどういう线量でどんな形の放射线をあてるかというプログラムを作ります。角度が変わるたびに、照射口の形がプログラムに従って、コンピューター制御で変えられ、がんだけを狙い撃つことができるのです。
機械が好きだったり、物理が得意だったりする人には、放射线科が向いているかもしれませんね。
照射机の模型
検査部 病理部
検査部とひとくくりにいっても、扱う検査は様々で、心电図、呼吸机能、脳波、尿検査、血液検査などたくさんありますが、それぞれの科で书こうと思うので今回は割爱します。検査技师の方々はこれらの机械をひととおり使いこなしていて、かっこよかったです。
病理については以前の记事でも少し触れましたが、今回は临床の现场において病理が果たす役割について书きましょう。病理诊断は、悪そうなところを切って持ってきて、直接见て诊断するので最も确実で、治疗方针を决める过程のさまざまな场面で用いられます。例えば、大肠にコブがあった场合、内视镜で见るだけでは良性か悪性かまではわかりません。少し切り取ってきて(生検)、顕微镜で観察することで诊断をつけるのです。手术となった场合、终わってからも、切り取った部分が本当に诊断した通りの病気だったのかを调べます。
术前?术后だけでなく、手术中も病理部に検体が届きます。术中迅速病理诊断(ドイツ语でゲフリール)というだけあって、手际よく行われます。悪いところが取り切れているか、転移がないかということを调べるために行うのですが、この间手术が止めなくてはならないので迅速に诊断するわけです。通常は、1日かけて组织をパラフィン(ろうそくの原料)の中で固めて标本を作るのに対し、ゲフリールでは液体窒素で冻らせて作ります。标本の固定、染色から诊断までわずか15分程度。结果を手术室に伝え、取り切れていれば终了へ、取れていなければ追加で切り取るという风に手术は再开されます。
不幸にも、亡くなられた场合、死因を突き止めるために解剖をすることがありますが、それもまた病理医の仕事です。
まとめ
あまり馴染みのない話だったかもしれませんが、読影や病理の診断は治療方針を決める上で大きな助けとなることから、放射线科医や病理医は"doctor of doctors"(医者の中の医者)とも呼ばれています。質の高い医療を提供するためには欠かせない重要な仕事についての紹介でした。
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Profile
所属:医学部医学科5年生
出身地:爱知県